#愛・悪・君で文章を作ると性癖がバレる*

「愛してる愛してる愛してる愛してる」


 私は彼を見つめながら言う。この場には私と彼、2人だけしかいない。


 静かだ。彼からの返事が一向に返ってこない。


「……ねえ、なんで君は返事をしてくれないの?私はこんなに愛してるのに」


 愛してるのに。こんなに愛してるのに。同じくらいの愛を返してくれてもいいんじゃないの?


 そこで、私は自分の手が赤いことに気がつく。そして、彼のお腹も赤いことに気がついた。


「……ああ、そっか。死んじゃったのか。でも、君が悪いんだからね?私だけを見てくれない君が、悪いの」


 彼の血液にまみれた、私の手。これが幸福以外のなんだというのだろうか。

 幸せ過ぎておかしくなりそうだ。


「……愛してる。世界で君だけを愛してる」


 私だけのものになった彼を愛を込めて抱きしめた。

 彼と彼の血の匂いに私は包まれた。


 –––––––––––これで、君は私だけのもの。

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