気まぐれ

私は気まぐれ猫だから

あなたが側に来たって

そっぽ向いちゃうわ


頭を撫でられても

「触らないで」って

手に噛みついちゃうの


あなたは呆れて

何処かへ行っちゃった


でもこれでゆっくり

日向ぼっこが出来るわ


目が覚めたら日が暮れていて

辺りは真っ暗

お腹が空いたけど誰もいない


いつもあなたが座っているソファ

あなたの温もりがない


ねえ?

何処に行ったの?

お腹空いたよ


にゃあにゃあ鳴いても

あなたは来てくれない


もしかして私は捨てられたの?


寂しいよ

にゃあにゃあ


あなたに会いたいよ


もうそっぽ向かないから

手も噛まないから


だから帰って来てよ


突然点いた部屋の灯り

驚いている私の目の前に

猫缶を抱えたあなたが立っていた


「ごめんね

お腹空かせちゃったね」


優しく私の頭を撫でてくれるあなた


寂しがったんだから!って

あなたの指を軽く噛んでやった


ねえ

ご飯を食べ終わったら

あなたの膝に乗っても良い?


今夜はあなたの

温もりを感じていたいの

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