生きている

いつの頃からか

生きるのが辛くなり

悲しみに身を置いた


明日に希望を

持てなくなり

孤独に苛まれ

訳も解らないまま

涙が溢れた


生きてる意味を

愛の言葉の意味を

探していたけど

何も見つからなくて


消えてしまいたいと

泣きながら

ドアノブに掛けたベルト


それを握りしめる手は

いつの間にか

震えなくなっていた


それでも朝はやって来る


朝日の眩しさから逃げ

暗い部屋の中

テレビの灯りに

照らされた天井を

見つめていた


それから数年が経って

色々な人に出会い

色々な話を聞き

色々なものを感じて


時の流れに逆らわず

悲しみも淋しさも

幸せも喜びも

この胸に深く刻み込んだ


生きている


誕生日を迎えた朝

青い空を見上げて

過去を振り返り


「生きていて良かった」


今一度

私の人生を

噛み締めている


そして来年も

再来年も

この先ずっと


「生まれて来て良かった」


私を取り囲む全てに

感謝の気持ちを持って

90歳まで

生きてしまおうかしら


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