(参加作品その15)そこのけそこのけ九尾が通る ~さよなら犬塚くんとシッポ(えーきち様)
『そこのけそこのけ九尾が通る ~さよなら犬塚くんとシッポ』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886238721
【コンテスト】第6回角川つばさ文庫小説賞(一般部門)
【一次選考通過数/応募総数】31作品/141作品
(私からの一言)
コンテストの応募先から「これは児童文学なのだろう」と思って読み始めました。また、最初に目次を見た段階で「全六章の構成だけど、最終章はエピローグっぽいので、実質的には五章構成なのかな」とも想像しました。
さて、実際に読んでみて感じたことは……。
まず、とても読みやすい作品だ、ということです。といっても、WEB小説の感想欄でよく見かける『読みやすい』とは少し違う印象を受けます。おそらく児童文学として、対象を考慮して書かれた結果の『読みやすさ』なのだろう、と想像しました。
また、構成もわかりやすいです。かなり早い段階で、主人公たちの目的を示していますから。
この「最初に目的を示す」というのは、「プロットの作り方」として口を酸っぱくして言われることだと思いますが、実際に長編を書いてみると、簡単なようで難しい、と私は感じています。だから余計に、そこが出来ている作品は凄いな、と思ってしまいます。
この作品の場合、その目的のために「同じ種類のものを複数探す」という物語になるので、下手をすると「同じようなイベントを並べるだけ」という単調な内容になってしまいますが、そこも上手く処理して、読者を飽きさせないようにしています。
第三章の途中で早くも「最後に大きな盛り上がりがあるぞ」と言わんばかりに、ラスボス的な最終難関を匂わせたのも、そうした「話のわかりやすさ」の一環かもしれません。ただし単純に「わかりやすい」だけでなく、巧妙な意外性もあるので、そこも作品の面白さなのでしょう。
各キャラクターの心情も丁寧に描かれており、そういう点も、私の好きな作風でした。
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