第25話

 秋穂と暮らし始めてもホステスの仕事は続けていた。秋穂の収入は多くはなく、二馬力でなければ成り立たないような生活状況は同居当初から変わっていない。秋穂と二人きりにならざるをえない桃香の身が心配ではあるが、何もせず見守っていられるほどの経済的余裕はなかった。


 不安な思いを抱えつつ普通の家庭よりも早めの時間に桃香を風呂に入れ、夕飯を食べさせてから秋穂に桃香を預けて私は十八時くらいから仕事に行き、0時前に帰宅する。


 最近私が家にいない間、秋穂が時々いなくなることがあるらしい。桃香が言うには、秋穂は桃香が布団に入ったことを確認した後、バタンという音を残して外出するのだという。桃香はそのまま眠ってしまって、何時ごろに秋穂が帰ってきているのかまでは知らなかった。私が帰ると彼は家にいるから、外出は桃香が眠った二十一時頃から二十三時辺りにしているのかもしれない。


 話を聞くまでは彼のそんな行動には全く気付かなかった。しかし彼がどこで何をしていようと特に気にならない。大人の男の動向よりも、幼い桃香が一人で夜を過ごしているという事実の方がずっと心配だからだ。

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