発足!機動白虎隊!

「今度はロボットさなったの!?わがんねぇー!?」

隔離された寮母個室で美冴が合体したイワシロクォーツの姿をモニターで見て驚愕し、思わず缶ビールを追加で1缶一気飲みする。


イワシロクォーツ内合同司令室

「これが…」

「会津、中通り、浜通り…」

「福島県三地域の力…」

「あれは!?」

「!?」

「鹿島大神宮の御神体である阿武隈山地のペグマタイト!なしてここさ!?」

明純がモニターに映っている宝石を指差す。

「どうやらこのロボットの動力源みたいですね。“Aペグマタイト”…我々の郷土愛をエネルギーに変え、増幅する力を持つそうです!」

小温がペグマタイトについて説明する。

「ようし!そんじゃらそれなら一気にトドメだ!」


「白真弓!!」

龍美が武器名を唱えると地面からフタバスズキリュウが現れ、センドウバードのブースターが変形した弓型の武器、「白真弓」をイワシロクォーツに手渡した。

そこへ山鳥が矢を脚に咥えて飛来し、イワシロクォーツに手渡した。

するとイワシロクォーツの目の前の地面から白虎が現れ、

-ガォオオオン

咆哮で雷獣を拘束した。

イワシロクォーツは矢を弓に舁かげ、雷獣に狙いを定めた。

「ターゲットロックオン!」

「ならぬことはならぬのです!如意輪白真破弓!!」

「シュート!!」

白真弓から放たれた矢は白虎の姿に変わり、雷獣の心臓を貫き、そのまま抉り取りながら消え失せた。

雷獣本体は爆散した。

-ドカーン


「やったぁー!!」

「やりぃ!やすがオラエの寮生!」

司令室と寮母個室に歓声が響き渡る。

「皆さん、安心するのはまだ早いです!私がこれから恵日寺の秘法を以って羅刹夷の鬼魂魄を完全に浄化してきます!でないと、また復活してしまいます!」

「ちょっと小温!?」

小温は司令室からイワシロクォーツのハッチを開けて外に出て、雷獣の心臓の前に近づくと、長い数珠と如意輪観音陀羅尼神呪経を開いた。

「如意輪観音の名に於いて、この鬼の魂を永久に沈め給え!オン阿謨伽アボキャ尾盧左曩ベイロシャノウ摩訶母捺囉マカボダラ麼抳マニ鉢納麼ハンドマ入縛攞ジンバラ鉢囉韈哆耶バリタヤウン!光明真言浄化秘法!!」

小温が光明真言を唱えると雷獣の心臓からどす黒い煙が消えていき、心臓そのものも光となって消え失せた。


こうして雷獣を撃退したうつくしま寮の寮生達は元の場所に戻った。

「私の孫を始め皆さんを信じた甲斐がありました」

「理事長先生、もしかしてこの事を知っていたのですか?」

「はい、仏都会津に魔の手が蘇るかもしれぬと総本山からの指令で恵日寺の住職となり、孫を出家得度させた上で東京から呼び寄せたのです」

「改めて会津って異世界だったんですね」

「これからも改めて仏都会津の、いえ…福島県全体の平和を守ってくださいね」

「はい!」

磐如は寮生に向かって一礼した。

「あちゃーおっこ面倒な事始まっちったなー…」

寮母の美冴は呆れ顔をした。

「ほんじゃら、オラほうのチーム名決めんべし!」

「チーム名?」

龍美が提案した。

「やっぱこういうのはチーム名がねぇとな!そんじぇチーム名は…」

「機動白虎隊!」

「は?」

龍美の会話を遮る様に明純がチーム名を提案する。

「機動白虎隊カッコいい!」

「現代の会津藩兵だべ!」

「ようし!決まりだ!」

こうして、福島県を守護する機動白虎隊が発足した。

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