あの技の名は(2)
アリスは、どうしたらあの光は現れるのか、さっぱりわからない。
そんな中、1週間が過ぎ。2人は今日も体育館に行き、なぜあの光が現れないのか、あの時と同じ状況を再現するのは不可能。やはり、ラビー王女が言っていた通り、あの時と同じ状況にならないとダメなのか、このまま永遠に現れないのか。ラビー王女も挑戦するがあの光は現れない。アリスは諦めない、何度も何度も挑戦している。ラビー王女も挑戦するがもう無理、そう思い始めていた。しかし、アリスの諦めない姿に触発されたのか、ラビー王女も諦めずに挑戦をまた始めた。
あの光を出すのにいったい何が必要なのか、何が足らないのか。あの光の正体はなんなのか。気功法の進化系には間違いない。多くの人をあの光で助けたい、その想いがいつしかアリスの諦めない心になっていた。
あの光を求めて1ヶ月が経ち。夕食を終えたアリスとラビー王女は、部屋に戻り、テレビを点けるとニュースが流れ、しばらく見ていると。ニュース速報が入り、緊迫したアナウンサーの声。マンション火災発生、突然の爆発音とともに燃え広がった炎、偶然い合わせた当局のカメラクルーたち、ライブ中継になっている。
この光景を見てアリスは、助けたい、その想いが全身をかけめぐり、新たな想いが芽生えていた、正義の心。
すると、天から声が聞こえ、アリスを呼んでいる。その声は、ラビー王女も聞こえ、2人は頭上を見上げ、辺りをキョロキョロするが、2人以外に誰もいない。突然すぎる出来事に、2人は困惑していると、天からまた男性の声が聞こえ。
「アリスに問う、あの光を使いこなせる自信はあるか?」
「あります」
「では、再度アリスに問う、あの光を背負う覚悟があるか?」
「あります」
「よろしい、では、ラビー王女、お前はどうだ!? 覚悟があるか?」
「あります」
「よろしい、2人ともいい眼をしている、いいでしょう。その光、正義のリングを授ける。私にその正義の心を見せてくれ」
アリスは、頭上を見上げ。
「あのー、正義のリングって、なんですか?」
天の声は、もう聞こえない。
すると、ラビー王女は何かを思い出し。
「そういえば、あの時、あの光を見た時、あの光がリングになり、そのあと球体に。あの光の名は、正義のリング」
アリスは呟いた、正義のリング。その時、アリスの右手が、手の平が光り始めた。
「ラビー行くよ!」
「えっ!? 行くってどこへ!?」
「決まってるでしょう!? 助けに行くのよ」
「えっ!? まさか!?」
アリスはラビーの手を握りしめ、2人はその場から消えた。
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