44話:復縁? それとも……? PART1
誤解も解け、いつもの仲良しカップルに戻った週明け。
「お騒がせして、本当にごめんなさいでした!」
朝一番の教室。プールでの騒動をどうしても皆さんに謝りたいと、夏彦の隣にいる未仔が一同に頭を下げる。
夏彦の予想通りだった。
「全然気にしてないよ! というより、私たちの方こそ不安にさせちゃってゴメンね」
「そそ。ウチらが紛らわしいことしちゃったのが原因じゃん」
涼花や朱莉たちが怒っているわけもなく。
他メンバーの女子も同意見。「大丈夫、大丈夫」と和やかムードである。
未仔をさらに安心させようと、夏彦がにこやかに語り掛ける。
「ね、心配しなくて良かったでしょ? ウチのクラス、個性的な人が多いけど、みんな友好的なんだよ」
真面目な優等生である久方涼花、ミーハーなギャルである沢北朱莉。一見、
朱莉がニヤニヤと夏彦を見つめてくる。
「まー、確かに。どこかの誰かさんに比べると、個性的な人は多いかもねー♪」
「……俺のこと、薄いって言ってます?」
「あれれ~? ウチは傘井が薄いなんて一言も言ってないケド?」
「は、はめられた!」
薄い男が喚けば、周りの女子たちがドッと大爆笑。このシーンをカメラに収めれば、卒アルの1枚に載ること間違いなし。
ジャグジープールでも和気あいあいしていただけと確信してしまえば、未仔の表情も自然と笑顔になる。
笑顔になるだけでは済まされないようだ。
「ねーねー。未仔ちゃんは傘井君のどういったところが好きなの?」
「へっ!?」「久方さん!?」
涼花の思わぬ爆弾投下。ジャグジープールでの記者会見カムバック。
夏彦が恥ずかしがるように、未仔も小柄な身体をピクンっと跳ねさせたり、三つ編みを揺らしたり。
けれど、モジモジ、照れ照れしつつ言うのだ。
「全部が大好き、なんです……」
「「「「きゃ~~! 可愛い!!!」」」」
上目遣いで放たれる言葉は、まさに一瞬千撃。
「ひゃ……!」
『こんな可愛い子、愛でたいに決まってる』と、女子グループが一斉に未仔を目一杯抱き締めたり、頭や喉元を愛撫したり、未仔の柔らかホッペをプニプニしたり。
JKグループが百合百合祭りでワッショイ。
記者会見は当然続き、
「強いて挙げるとしたら、傘井のどこが好きなの!?」
「す、すごく優しいところですっ。楽しいときは勿論、私が困ってるときでも隣で支えてくれるんです」
「小学生時代からの知り合いって聞いたけど、ずっと一途に想い続けてたの?」
「ずっと、ですね。でも、『想い続けるだけじゃ何も変わらないな』と思い切って告白、……し、しちゃいました!」
「そんな大好きな彼氏へアツアツのメッセージをどうぞ!」
「アツアツ!? …………。~~~~!!! い、一生懸命尽くすので、私のことを幸せにしてくだしゃ――、ください!」
「「「「可愛い~~~~♪」」」」
もうお嫁に行けないと言わんばかり。羞恥に悶える未仔が、するんっ、とJKの集団ハグから
そのまま、真っ赤な顔を夏彦の胸へと押し付けつつ、
「大事なところで噛んじゃったよう……!」
ひっしり寄り添われた夏彦の感想。
(幸せにしますとも……!)
未仔を大切にしたいという気持ちが、改めて沸き上がってしまうのは言うまでもない。
幸せに包まれる2人がいれば、嫉妬に苛まれる2人もいる。
塩谷と逆瀬である。
「傘井ばっかり良い思いしてズリぃ! つーか、結局プール行ってんじゃねーか!」
「水着女子見て、金も入るバイトって何!? こっちは畑耕し続けても一銭も入んねーんよ!?」
一夏のアバンチュールを経験したかった塩谷と逆瀬なだけに、目の前の勝ち組に噛みつかずにはいられない。
「謝罪を要求する!」
「ホンソレ! 自分だけ幸せでごめんなさいって謝って!」
「え、えっと……、俺だけ幸せでごめんなさい。……これでいい?」
「「…………。~~~~~っ!!! 傘井大嫌い!!!」」
「えー……」
負け犬の遠吠えほど、悲しいものはない。
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【雑談】
末端冷え性&運動不足すぎて、足がエグいくらい寒いです。
毎年、防寒スリッパとかミニファンヒーターとかを試すんですが大きくは変わらず。(・´з`・)
「コタツとか久々に出そうかなぁ」としみじみ思う今日この頃です。
【宣伝】
もはや、多くの本屋さんで『おぱもみ』が発売されているようです。
「1/1(金)の頃には、新刊コーナーから消えてんじゃね……?」と思うほど(笑)
本屋さんに置いてなかった場合は、送料無料のAmazonなどをご利用いただければと( ̄^ ̄)ゞ
感想メッセージやレビューなど、執筆の励みになっております。
サンクス、おっぱいフレンズ!!!
【暇つぶしにどうぞ】
『構って新卒ちゃん』の連載版も不定期投稿をスタートしたので、暇が有り余ッティな方は是非是非。
日本酒好きの先輩LOVEな後輩ヒロインです。( ̄^ ̄)ゞ
-作品はコチラから-
https://kakuyomu.jp/works/1177354055408420052
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