2話:おっぱいを揉みたいと叫ぶ30分前の話 PART1

 夏彦がおっぱいを揉みたいと叫ぶ30分程前まで時はさかのぼる。


 学校も終わった放課後、高校2年生になったばかりの夏彦たち3人は、コンビニ店前のベンチで時間を潰していた。

 今現在、夏彦は買ったばかりの週刊少年誌を満喫中。水曜日といえばマガジンである。


 そんなマガジン派の夏彦のページをめくる手が止まる。

 否。隣に座る少女に腕を掴まれてしまう。


「ナツ読むの早い。まだウチ読めてへん」


 ページを捲ろうとするものなら、この腕引きちぎるぞと言わんばかり。

 関西弁だから威圧的に感じてしまうのか。はたまた、あっけらかんとした態度から威圧的に感じてしまうのか。

 分からない。分からないが、夏彦は次のページを捲りたい気持ちをグッと抑える。

 ちぎられたくはない。


「……。読んだ?」

「ん」


 許可を貰えた夏彦は次のページを捲る。そのやり取りは、「主人、そろそろ食べていいスか?」「よし」とやり取りする飼い犬と主人のやり取りを彷彿。

 当然、2人の関係は飼い犬と主人ではない。

 相応しい言葉を挙げるとすれば、『悪友』や『良き相棒』といったところか。


 相棒である少女の名は、冴木琥珀さえきこはく

 容姿やスタイルだけ見れば、琥珀は美少女と呼べる存在に違いない。


 切れ長で黒目がちな瞳は、人々を魅了するには打ってつけ。明るく染められたミディアムヘアは、華やかな容姿を一層華やかなものに際立たせている。

 制服と派手目なスニーカーのコーデは中々に人を選ぶが、琥珀が着用すれば、都会的なストリートファッションにまで昇華。唯我独尊という言葉さえ相応しい。


 総評、とても美少女。


 容姿やスタイル『だけ』見れば。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る