【4巻発売中】『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。~未仔ちゃん、ちょっと甘やかしすぎでは?~

凪木エコ@かまてて&おぱもみ発売中

◆1部

プロローグ:おっぱいと恋人は同時にやって来る

 願いや望みは、声に出したほうが叶いやすい。

 抑え込んだ衝動は、声に出したほうが解消しやすい。

 そんな気がする。

 そんな気がするからこそ、少年は人気ひとけのない高台で目一杯肺を膨らます。


 そして、喉が張り裂けそうなくらい、柄にもなく叫ぶ。


「おっぱい揉みた――――――――~~~~い!!!」


 傘井夏彦かさいなつひこ。高校二年生、残念な春。


 夏彦は人一倍性欲が強いわけでも、年がら年中、胸を揉みたいと目を光らせている危険因子でもない。むしろ人畜無害な部類だ。

 しかし、今はとてつもなく胸を揉みたくて揉みたくて仕方なかった。

 夏彦が狂人となったキッカケは、また別の話。


 願望は天井知らず。


「俺だって草次そうじみたいに彼女欲しいさ! 放課後は校門前で待ち合わせして、他愛のないはなししながら帰りたい! 週末は一緒に水族館とか遊園地デートしてみたい! 映画観ながらイチャイチャしたい! 琥珀こはくのアホ! あと、おっぱい揉みた~~~~~い!」


 ゆっくりと落ちていく夕陽でさえ、ズッコケそうになる願望の数々。

 ひねくれた神ならば、近所のオバハンを召喚したり、牧場でやってるヤギの乳絞り体験コーナーにでも転送しただろう。

 ひねくれた神ならば。


「あ、あのっ!」


「おっぱ――! ……へ?」


 景気づけに、もうひと揉み叫ぼうとする夏彦が固まってしまう。

 それもそのはず。声のする後方へと振り向けば、少女が立っているのだから。


 同じ学校の制服を着ていて、蝶リボンは赤色。入学したての新入生だろう。

 とても可愛らしい子だった。小柄な背丈に相応しいあどけない童顔。幼さの中にもパッチリ大きく開いた瞳が、意志の強さと愛くるしさを見事に両立させている。少し緊張しているのか、瞳は若干潤みがかっていて、胸前で握った両拳は小刻みに震えている。

 その姿は子猫そのもの。守ってあげたくなるような、段ボール箱の中で鳴いていたら拾って帰りたくなるような。そんな可愛らしい子。


 そんな少女に夏彦は見覚えがあった。

 数年ぶりだろうと、多少外見が変わっていようとも忘れてはいなかった。

 しかし、今は当時を懐かしむ余裕など皆無。懐かしさを感じる以上に、羞恥心のメーターが振り切っている。


 当たり前だ。今までの発言、おっぱい揉みたい発言を、年頃の女子高生に聞かれているのだから。

『穴が合ったら入りたい』どころか、『穴があったら土葬してほしい』レベル。


 丁度、高台だし、このままフライアウェイするのも悪くないと考えていると、


「おっぱい!」

「ひゃい! ……え?」


 少女の口から出るおっぱい発言に、夏彦は目が点に。

「おっぱいがどうしたんですか?」と顔に書いたまま硬直していると、少女は距離を1歩、2歩、と詰めていく。

 ついには、小さな少女が目の前に。

 そして、


「あの……、お、おっぱい揉ませたら、私と付き合ってくれますか……?」

「…………。え?」


 まだ伝わらないのならと、少女は声を大にして思いの丈をぶつける。

 夏彦の叫びに負けないくらいの声量で。


「ずっと大好きでした! おっぱい揉んでいいので、私と付き合ってください!」


「……………………。ええっ!?」


 傘井夏彦、16歳。

 おっぱいモミモミする権利及び、彼女ゲット?








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プロローグを読んでいただき、ありがとうございました。

数ある作品から、自分の作品に目を通していただき、ただ嬉しい限りです……!

タイトルに釣られて入って来た方は、もはや盟友。


▼2021/4/29(木)更新

【お知らせ】 

今作品、

『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。

の3巻が10/1(金)に発売です!


書影やあらすじ、店舗特典なんかも公開されているので、是非チェックしてみてください。( ゚∀゚)・∵.oppai!!


↓公式ページ↓

https://sneakerbunko.jp/series/oppai/




【暇つぶしにどうぞ】、

構って新卒ちゃんが飲みやホテルに誘ってくる話も書いています。

是非是非召し上がれいʅ(◔౪◔ ) ʃ


コチラから↓↓↓

https://kakuyomu.jp/works/1177354055408420052

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