第19話
寝起きの事である。ぼさぼさの髪の毛をかくのであった。昨夜は冷えた……わたしは季節が動いているのを感じた。椅子に座るとわたしは夏に髪の手入れを頼むのであった。後ろ髪をとかしてもらい。紅茶を飲んで冷えた体を温める。
「恋菜様、朝食にしますか?」
「えぇ、いただくわ」
わたしは大きなテーブルに座ると姉がやってくる。今朝の微睡みの夢は姉の頭を気持ちよく踏むものであった普段、勝気な姉を踏む夢は心地いいのであった。
「何?わたしの顔になにかついているの?」
姉が不機嫌にわたしに言うのであった。夢で頭を踏んで楽しかったなど。ま、言えないよな。わたしはサラダを食べて誤魔化すのであった。姉は紅茶だけを飲んで席を立つ。
「朝食は食べないの?」
「バレエの発表会が近いの」
体を絞っているのか。姉らしい理由である。姉は自室に去って行き、わたしは夏に紅茶を頼むのであった。
「今日は角砂糖を付けてくれるかしら」
夏はわたしの言葉に頷きキッチンに向かう。姉にバレエを勧められたことがあったが厳しいレッスンは苦手であったので断った。夏が戻ってきて紅茶を持ってくる。わたしは角砂糖を二個入れて紅茶を飲むのであった。
「美味しい……」
紅茶を飲み終わると、わたしは夏に楽しい夢は見たことが有ってと聞く。
「高級車に乗る夢です」
そうか……夏は免許の取れる年齢なのか。この街は広い自動車も必要である。
「今度、両親に相談するわ」
夏は嬉しそうに微笑んで紅茶を下げる。それは物欲ではなく、わたしの気持ちへの感謝と感じられた。夏らしいな……。
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