夢供養(笑)。 キャッシュレス世界の夢

 印象に残った夢の話です。

 数日前に見て、いまだにふと思い出すので夢の供養((笑))に書いておこうと思う。




 夢の中の私は喉が渇いていた。

 辺りを見回しても自動販売機もなければ建物もない草原。そこにポツンと某有名バーガー店があるのを見つけた。


(お腹は空いてないけど、あそこで何か飲み物を買おう)


 私は手ぶらで財布は持っていなかった。ポケットを探ると500円硬貨が一枚、指先に触れた。


(おっ、500円あれば飲み物1つくらい買えるな)


 さっそくバーガー店へと近づき入店する。

 中は人でいっぱいだった。駐車場もなく車1台も見かけなかったのに人が多くて少し不思議だった。


 レジに並ぶ列に加わって私の番がくる。


 何を注文したかは覚えていないけれど、飲み物を1つ注文した。もちろん500円で買える品だ。


 目の前のカウンターにはトレーが1つ置かれている。そのトレーの端に紙が付いていた。そこには「お釣りはありません」と書かれている。私はその文章を認識しながら500円硬貨を置いた。


(1万円や5千円だと大きいから釣りがないのかな?)


 そんな事を考えていたように思う。

 お金を出した私は飲み物が出されるのを待った。

 向かい合う店員はにこやかな表情を崩さず立ち尽くしている。


(ん?)


 彼女は動かない。私も彼女を見つめてる。

 後ろに並ぶ人々の焦れた気配が伝わってくる。


「お金、出しましたけど」


 店員の女性はにこやかなまま、トレーの端につけられた紙を指差した。「お釣りはありません」と書かれたあの紙だ。


「いま、所持金がこれしかなくて500円でお願いします」


 黙って紙を指差す彼女は笑顔のままだ。

 ここはキャッシュレスのレジだったかと表記を探して上下左右に目を走らせるが、どこにもキャッシュレスレジとは書かれていない。


 後ろから苛立つ気配がする。いや、気配どころか覗き込みため息をつきうざそうな気を投げつけられる。


「嘘だろ、お金出してる」

「これだからキャッシュレスじゃない人は、はぁ!」

「お金だしてもたもたと・・・・・・ちっ」


 どんどん圧は強まっていく。


「お釣りは要らないので、これでお願いします」


 それでも彼女は紙を指差すばかり。


(そもそもお金を受け付けないのか)


 そう思った。

 しかたなく横にどいて後ろの人に譲る。喉は渇いたままだ。


 ピッピッピッ


 店員と客の会話は一切なく、支払いの音だけがテンポ早く鳴り続けていた。

 客はどんどんはけていく。


 500円玉を握りしめて立ち尽くす私を横目にお金を持たない人々が過ぎて行く。


 惨めとは感じなかった。

 ただ、現金というお金がお金としての存在を失っていることに衝撃を受けていた。


 手のひらに乗る500円玉をじっと見つめた映像を最後に目は覚めた。





 目覚めて最初に心に浮かんだのは、店員も列に並ぶ人々もアンドロイドの様だったという印象だった。


 物事がスムーズに進むのはストレスがなくていい。でも、なにがしかの障害に出くわした人に救いがなく、弾かれる世界は冷たいな。そんな事も思ったのでした。





 あ、書き忘れたので加筆します。

 何度か思い出すうちに苛っとしたことがあります。


 お釣りはありませんと表記して、表面上はいかにも現金の取り扱いがあるようにしておきながら、実は現金不可なことに腹立たしく思った。


 でも、これは私が見た夢。

 つまり私にもこんな部分があるって潜在意識に突っ込まれてるのかもしれないですね。

 (;^∀^)ゞ






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る