3

 遠くに行こうよと体を引っ張った。

 体がどんどん軽くなっていく。

 その後を考えることもない。気づけば考えることも思うことも無くなっていた。

 何もなくなった。

 悲しむことも、怒ることも。それだけの人生の全部だった。


 懐かしい場所についた。

 街の小高い丘の上には大きな木がある。枝からぶら下がった手作りのブランコが持ち主の帰りを待っているようにひとりで揺れている。

 

 歩き疲れた。

 死にたくてたまらなかった。


 泣いた。  

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