S6.2 『幻想を打ち砕く幻想』――視野狭窄が引き起こす今の夜叉に必要なイマジネーションクリエイティングとは―― 3月18日
――光綿市 光綿支部紅葉――
帯刀「青葉ちゃんとのデート、楽しかったんですかぁ?まあそりゃそうですよね~私に仕事押し付けておいて泊まりで夕方帰りですもんね~??」
瀬川「だから、エンストして立ち往生しただけなんだって……。僕は運転できないしこういう時はどうしようもないんだよ……」
帯刀「これはご主人様としての自覚が足りませんね。従者はもっと乱暴に扱うものなんですよ、ねえ?」
綾華「どうでしょう……? 私のご主人は私を大事にしてくれてますが……。従者というより所有物ですし……」
帯刀「ほら聞きましたか!?物なんですよ物!!もっと欲望を全力でぶつけてもいいんです、ほら!ほら!!!」
綾華「すごい曲解されてません!?」
瀬川「ならそのパジャマみたいな服はちょっと……。なんか違うお店みたいになってるから……。ほら、太ももとか……、ぶかぶかだから胸元とか、ね?」
花園「よっす、カフェモカひと……」
▶入ろうとして、帯刀や稲生を見てドアを閉めるよ
風鳴「注文後のキャンセルは受け付けてねーぜお客さん」
稲生「おーおー、今日も今日とてイチャイチャしてなさる、お熱いこって」
百瀬「どうもですー。今日も絵を描きに────ここは喫茶店ですよね……?」
花園「……なあ。ここっていかがわしい店じゃあないんだよな?な?」
元木「っす……今日も一段ときついっすね……。未成年も来るの忘れてないっすか……?」
風鳴「正真正銘おっさんの趣味の店だぜ」
百瀬「おっさんの趣味ですか、言い得て妙ですね。ではおっさんらしい飲み物くださいーアルコール抜きで」
来玖「こんにっちはー。枕とか持ってたらもっと良いんじゃないですか」
稲生 「はいはーい、いらっしゃいませー。大丈夫至って健全なのでお席にどうぞー」
瀬川「宇佐木くんをまともな目で見れなくなるから……」
来玖「そうですか……」
十六夜「枕……探してきますか?」
百瀬「抱き枕とか良さそうですよね」
帯刀「今日のワンポイント講座~こういう服を着たときは、狙った人の前で抱っこポーズを取ろう!目線の誘導が出来るぞ!はい稲生ちゃん、見本どうぞ」
▶両手を広げて瀬川にアピールしてますね
元木「まともに受け止めんなよ……」
花園「いかがわしい店みたいなことさせるんじゃねえ……年齢が年齢だからマジで事案だぞ」
稲生「えっそこでどうしてソラなの、そもそも抱っこポーズとは……?」
百瀬「だっこーって言いながら両手広げるやつですかねぇ……。上目遣いで……」
元木「……へぇ」
▶元木が頬杖をついて稲生を見ます。稲生は顔を真っ赤にしていますね
稲生「えっ……えー……?こ、こう……?だっこー…………うへぇ……」
▶恥ずかしさで瀬川の目の前で縮こまります
綾華「可愛らしいポーズですね!」
瀬川「あ……えーっと……うん。その位置で縮こまれるのはうん……。20超えてるから……そのへんで……ね?」
稲生「あっちょっ歳絡めるのはそれだめ反則あーあー!」
花園「頭が痛くなってきた……」
風鳴「意外と慣れてくるもんだぜ?住んでみるか?」
帯刀「むー……」
帯刀「えい」
▶帯刀は稲生にブラックライトをあてるよ
帯刀「そういう色目の使い方は良くないと思います!」
稲生「え、あっ……うわー!唐突に!なんてことを!」
風鳴「お前が仕向けたんだろうがよ……」
十六夜 「なんですか?それ」
来玖「理不尽ビーム」
瀬川「闇を発生させる機械だよ。ほら、黄色い悪鬼出てるだろう……?」
▶黄色い悪鬼が出ていますね
元木「へぇ……」
花園「あーあー、まあ、なんだ、今回の試練ってことか」
綾華「この前私が行ったのとは色が違いますねー」
稲生「なしてさー!理不尽ー!やだー!せめて心の準備とかー!それでもやだったけど!」
百瀬 「黄色ですか。黄色はいい印象がないですが、これはまさに注意の色……」
帯刀「色情魔は現実を思い知って泣いて私に助けを求めればいいんですよーふーんだ」
風鳴「にしてもソラが黄色か。意外なもんだな」
綾華「えっと……準備はこれで良いのかな?」
十六夜「闇……?まあ悪鬼ならやることは変わらないですよね」
元木「夜叉から発生した悪鬼はこんな色なんじゃねぇのか……チッ」
稲生「ならここで泣いたら助けてくれるんですかー?!ほら泣くぞー、すぐ泣くぞー……」
帯刀「思い知った後ならいくらでも泣いてくれれば助けますよ。今みたいな調子乗り色しか振り向かないバカは知りませーんだ!ふんっ!」
花園 「俺が泣きそうなんだよなあ!頼むからもうちょっと喫茶店らしくしてくれよお!」
百瀬「それには16ビートのリズムで同意します」
風鳴「いつも以上にゆるい空気の中だが……ま、なんとかなんだろ。気ぃ張ってくぜソラ」
瀬川「いや……うん。気をつけてね。戦力を削られると僕はとても困るんだ。僕の為にも、生きて戻ってきてくれ」
稲生「うっ……ずるいですよー、そういうの……。でもまぁ、こうなったからには仕方ない……覚悟決めるかぁ……やだなぁ……」
――世界との浸透率――
▶灯籠が立ち並ぶ祠のような場所ですね。中央に、ソラが立っています。敵意もなく、朗らかですね
ソラ「いらっしゃい。ゆっくりしてってねー」
花園「……随分とのんびりした感じだな」
元木「ほお、アンタ、俺たちが何をしに来たのか、わかってるんじゃないのか?」
十六夜「戦う……んですか?なんかそういう雰囲気でもないですけど」
稲生 「あれは……うん、見た目は……ソラ、だね」
ソラ「わかるよ。だって私は私だもんね……でも、戦うつもりはないよ」
百瀬「これは今までの二人とはうってかわってって感じ……?」
来玖「あくまでも本人、かあ」
ソラ「ところで……、私はソラだけど、そこの人誰?ソラの闇なのにソラじゃない人がいるよね?」
ソラ「仮面なんかしちゃって感じ悪ーい。ソラそんな隠し事とかないよ?」
花園「あー?どういうこった?」
風鳴「なるほどな。こんな場所だ、茶しばいて終わりとはいかねぇわな」
稲生「……あぁ、なるほどね……。『私』じゃない……『ソラ』、ってことね……」
稲生「なら……これで……偽物なんて言わせないよ!」
ホンモノノソラ「確かに……一緒だね。じゃあ、周りに決めてもらおうよ」
▶ホンモノノソラは4人に増え、一瞬灯籠の火が消え暗闇に包まれ、稲生の隣に並んでいますね
来玖「あーあー、こりゃ大変ですね」
花園「うお、まさかとは思うが……」
綾華「うわっ……嫌な予感しかしないです……」
百瀬「これは……狐につままれそうになりますね、これは……」
来玖「眉に唾を塗っておくと良いらしいですよ」
ホンモノノソラ「私が本物だって、根暗なソラは私だって、みんなはわかってくれるから」
ホンモノノソラ「ソラのこと……おねーさんはわかってくれるよね?」
ホンモノノソラ「まさか……私に攻撃しないよね?」
▶同じ声、同じ見た目ですね。一度暗くなったのもあって見分けがつきません
ソラ「増え……!?この……!さらに紛らわしくなることを……!」
元木「ククク、楽しげなことをするじゃないか!」
百瀬「ああ……いやあこれは大変そうですね……」
花園「おいおい、マジかよ……」
綾華「ど、どうすればいいんですかこれ……?」
風鳴「色々やってくれるもんだ。たしかに迂闊に殴れねぇなこりゃ」
十六夜「みんな同じにしか見えない……」
元木「あたりまえだ、全て本物だ。そこらの誰かの妄想や負の感情で生まれた悪鬼とは違う。別の本人なんだ。見分けなど付くものか」
▶戦闘前行動 元木 橙
▶戦闘前行動 十六夜 急に歌うよ[竈、竈]
▶戦闘前行動 百瀬 石を拾う
▶戦闘前行動 綾華 石を拾う
▶戦闘前行動 ホンモノノソラ 仲間、だよね?(戦闘行動を取らなかった対象に、精神安定判定を要求する)偽物を、殺して!(物理追加ダメージ、魔法追加ダメージ、アイテム追加ダメージを一律で+30する。重複はしない)本物だから、ね?(敵の、自分の味方に自分を対象に入れ、バフ効果を受け取り、デバフ効果を無効化する)
元木「最悪5人全てを倒せば終わる、消えなかった奴が本物かもな。――採用するなよ」
花園「頭の痛くなる話だ……」
百瀬「私は殴るしかできないから…………恨まないでね、いろいろと」
▶元木 夜鷹の爪跡 エレメントトラップ[ルーミア] エレメントボム[ルーミア]
失敗[ホンモノ:誤射(追加で1dXを振り、対象にダメージ)風鳴]32ダメージ+毒[来玖:生命バリア][二重攻勢:ファイア]17ダメージ
元木「当たりに当たっても恨むなよ。ピットス!……ん?」
ホンモノノソラ「何してんのさー!偽物は4人もいるんだからね!」
百瀬「当たらない……? 試しに打ってみよう…………。──あっ」
風鳴「っつぁ!?何してんだお前ら!?」
来玖「はぁー……。何やってるんですか」
百瀬「うわごめんなさい!!!」
来玖「まあまあ、姉さんのことは許してやってください。最初の矢にのせたら狙いが悪かったみたいですし」
綾華 「これじゃ迂闊に撃てないなー」
花園「ぐ、分かっていても味方かもしれないやつを殴るってのは……抵抗があるな」
元木「見えてなかったのか?あれは”当てさせられた”んだ。運がなかったな。後でルヒをかけてやる」
風鳴「ホント勘弁して欲しいぜ……すまねぇ、助かったライク」
百瀬「本物と敵を見分ける方法があれば……」
元木「やれるときにやれ!トラップボム!
▶十六夜 サルビア ミスティリオン[ホーリーライト]アンチトード[裂帛・柳浪・癒しの風[神籟]] 風鳴
15ダメージ 35回復
▶ソラ達は全員痛そうなリアクションを取ります。光に目を焼かれ、つらそうです
十六夜「後でと言わずに今のうちに……です!」
風鳴「ほー、こりゃあすげぇな。サンキューなイザヨイ!」
花園「……しゃーねえ、やるぞ!」
▶花園 通常攻撃
失敗[誤射:綾華]33ダメージ[来玖:生命バリア][綾華:オンリーイベントカタログ]
▶タイムカード サルビア リラクゼーション[神籟・リストーロ]十六夜来玖元木
23回復
花園「す、すまん……なんか調子が狂うな……」
綾華「いったぁ……びっくりしたけどとりあえず大丈夫です」
ソラ「み、みんなどうしたの……!?攻撃が……まさか……ソラの闇の仕業……!?」
元木「そうだ、ポンコツにはドジっ子にしか見えていないようだが、あれは間違いなく”攻撃”だ。」
▶百瀬 エフェドラ 麻黄湯 仄灯 サンダーボルト
4ダメージ
▶魔法は確実にソラに命中しましたが、全員の足が電撃で焼け爛れていますね
百瀬 「私の魔法はまだ未熟だから……お願い本物に当たって!」
ソラ「うあ゛っ……!ソラは……違、う……」
▶風鳴 ランプ 石を投擲
成功 33ダメージ
▶風鳴は石を風で流して銃弾のように腰を撃ち抜きますが、やはり全員が悲鳴のような声を上げます
風鳴) 「下手に吹っ飛ばすとどうなるかわからねぇのがこれだからな。当たるといてぇが、文句はいくらでも言ってくれや!」
来玖 「ひっ……やだ……やだやだ……やめて……!あぐっ……」
▶来玖 ポケベル[観察力で判定] プラシーボ[自然物理神楽歌]
1ダメージ
▶ソラ リェチーチ[裂帛・柳浪・レタブリスマン]ソラ
来玖「しかしこう同じ顔が並んでるとなかなか面倒くさそうですね」
ソラ 「はぁ……、はぁ……。なんで……どうして……?やだよこんなの……たすけて……」
▶綾華 通常攻撃
成功 44ダメージ
綾華「気絶するぐらいで済みますように……いけぇ!」
ソラ「げふっ……ぅ……ぁ……」
▶綾華が撃ち抜いた弾丸は、お腹に突き刺さりソラが1人だけ倒れ伏します。その途端残りのソラが全員違う動きをし始め、倒れたソラに囁き始めます
ホンモノノソラ「ほら、見分けついてないじゃん。ソラはいるけど、稲生天はいらないんだよ」
ホンモノノソラ「だって求められてるのはソラだもんね?素性もわからない人間なんて信用したくないもの。誰だってそうでしょ?」
ホンモノノソラ「みんなだって、今も疑心暗鬼になって私達全員殺せばいいと思ってるんだよ?ひどいよね。仲間だと思ってたのは私だけだったんだね」
ホンモノノソラ「死なない程度に加減されて弄ばれてるんだよ。全員纏めて殺して命乞いしてきたのが本物だって、そう思ってるんだよ」
ホンモノノソラ「手加減してくれた?殴ることはやめてないよね?ひどいよね。仲間ってそんなのなのかな?」
ホンモノノソラ「結局他人なんて信じた自分が悪かったんだよ。利用されてただけ」
ホンモノノソラ「どうせ今喋ってる私が悪い、悪いのは闇のせいだって言い訳してくるよ?ソラだってホンモノなのにね」
ホンモノノソラ「友達ごっこ、楽しかったね。楽しかったのはソラだけだったみたいだけどね」
▶割り込み ホンモノノソラ そうだよね?みんな(物理追加ダメージ魔法追加ダメージアイテム追加ダメージを+20する)
▶灯籠の火が消えて、暗闇に覆われるよ。すると、ソラが1人減っていますね
風鳴「よく言うぜ、こっちのソラの命を使わなきゃ筋が通ってるだろうによ。わりぃが恨んでくれて構わねーぜ、ついでに言いたいことも吐き出してくれてもな」
元木「そうなれば貴様らは同じように命乞いをするのだろう?わかり切ったことを。ソラ。自分を自分だと決めれるのは自分だけだ。自分でケリをつけろ」
▶十六夜 プラシーボ[自然物理恋神術]
3ダメージ[ソラ:もこたんの羽][マミゾウ]
十六夜「どうすれば……精一杯加減して……」
▶十六夜のはなった青い光がようやく立ち上がったソラの目を潰します
ホンモノノソラ「ほら、やっぱりわかってないよ。私がこんなに苦しんでるのに」
ホンモノノソラ「信用されてないんだろうね。やっぱり誰かもわからない人間なんて心の奥底で信用するわけないよ」
ホンモノノソラ「ソラに全部委ねちゃいなよ。稲生天なんて人間、求められてないんだって」
▶元木 セージ ナズーリン 例大祭カタログ 購入 チルノ[エレメントボム:ルーミア]
51ダメージ
▶チームワーク 百瀬 対象来玖元木
失敗 失敗 ストック獲得0
▶チームワーク 来玖 対象元木百瀬風鳴花園十六夜綾華稲生
ストック2獲得
▶ソラ 致命傷判定
ストック消費 気絶
元木「出力は極力抑えるが、恨んでくれてかまわん」
▶氷の刃でソラを串刺しにし、ソラが1人だけ気絶した途端、また1人ソラが消えます。残ったソラは心底可哀想な目をして、面々に話しかけてきますね
ホンモノノソラ「あーあ。現実を見せつけちゃって。ソラはソラであるっていう妄想に浸らせてあげればいいのに」
ホンモノノソラ「ただただ仲間だと思ってた人間に殴られ続けて、自分の力も減っていって夜叉なんてもう続けられないよね?存在価値もなくなってきちゃったね」
来玖「倒れる稲生さんはいい稲生さん、倒れない稲生さんはよく訓練された稲生さんってとこですかね」
元木「何度も倒れるポンコツは欠陥品だけどな」
ホンモノノソラ「ソラも本物、そこで倒れてる情けないソラも本物。夜叉の人生を自分たちで縮めちゃってるんだよ?可哀想に」
ホンモノノソラ「ソラがみーんな消えちゃったらどうなるかな?もう二度と変身もできないね。せっかく出来た居場所また無くしちゃうね?」
ホンモノノソラ「ソラがソラとして生きてけなかった時、どうなるかな?」
ホンモノノソラ「恨んでくれてもいいのなら、そもそも認めてあげればいいのに。結局稲生天しか見えてないんだよ」
ホンモノノソラ「ホンモノノソラなんて虚構の存在を認められない哀れな人間なんて仲間でもなんでもないよね?」
ホンモノノソラ「あーあ。天ちゃんかわいそー。ソラは好きだけど、天ちゃんに最初から居場所なんてなかったんだよ」
来玖「そういうのって、別に本人だけで決めるもんでもないんじゃないですかね。眠ってるうちに解決してることだってあるだろうに」
▶風鳴 破壊陣[足場・妨害結界]魔神剣・双牙[月はやがて輝いて]
成功 94ダメージ
▶稲生 致命傷判定
ストック消費 更に気絶
▶雷を纏った風がソラに襲かかり、耐えきれず1人消し飛びます。気絶したソラも電撃で痙攣しており、呼吸するのに必死なようです
風鳴「雷迅閃!あと一人だな」
▶百瀬 通常攻撃
成功 52ダメージ
▶最後のソラに鋳薔薇が突き刺さり、足元からゆっくり消えていきますね
百瀬 「最後は私が…………!」
ホンモノノソラ「あーあ。これでただの役たたずだ。ソラとはさよならだよ。天ちゃん、じゃあね」
▶そう言って消えていき、金色の光が出て空間が崩れていきます
百瀬 「──これで、倒した……んだね……」
風鳴「だろうな。イザヨイ、診てやってくれるか?」
十六夜「は、はい!」
▶十六夜 リザレクト
元木「チッ、後味の悪い。ソラ。帰るぞ。立てるか?」
十六夜「これで大丈夫なはずです……起きれますか?」
風鳴「……あいつらが言ったことがどうであれ、やったことのケツは持たねぇとな」
百瀬「──確かにそのとおりです。それで言えば、誤射ごめんなさいでした……」
風鳴「ん?あー、気にしてねぇよ。頼りにしてっからな」
百瀬「――はい!」
▶稲生は起きた途端に全身が恐怖で震えていますね。逃げようとしますが及び腰と痛みで動けなさそうです
稲生「……ん……ぁ…………ひっ……!こないで……やめて……ゆる……ゆるしてっ……ごめんなさっ……げほっ……!」
元木「どうした、もう終わったぞ。深呼吸しろソラ」
来玖「まあそりゃ、本気にしろそうでないにしろ、味方がこっちに向かって思いっきり攻撃したらこうなっちゃうんじゃないですかね。いや僕も悪いとは思ってますけど……」
風鳴「早く戻らないと死ぬぜ?苦しいんだったらさっさと帰れ、お前を助けてくれるやつがいるだろ」
綾華「ごめんなさい……仕方ないとはいえ思いっきり攻撃しちゃって……」
稲生「ひいっ……もう……もうゆるして……ごめんなさいごめんなさい……私は……私なんて……うぇぇっ……!」
元木 「……ソラ?」
花園「クソッ!やってられるかッ!あからさまに敵対される方がまだマシだッ!」
稲生「だれかっ……だれかたすけてよぉ……!おとーさん……おかーさん……!うぁぁぁっ……」
――光綿市 光綿支部紅葉――
帯刀「それで、青葉ちゃんとどうしたんですか?ねえ?瀬川さん……、何、したの?」
瀬川「エンストしたから、JAFを呼んでしょうがないから近くのホテルで1泊してきただけだよ」
帯刀「そう、ですか……」
瀬川「その後、観覧車に乗って一緒に紅葉の食料を買って帰ってきただけだよ」
帯刀「だ、け……?」
瀬川「それにしても、どうして急に稲生くんの闇を作ったんだい?前準備くらいは必要だと思うんだけど」
帯刀「そそそれはですね……えーっと、その……」
風鳴「戻ったぜ。全員生存だ」
元木「っす……全員生存……は、してるっす……」
綾華「生存は……生存ですけど……」
来玖「あれは生きてるって言えるんですかね」
花園「………………」
瀬川「歯切れが悪いね。廃人にでもなったのかい?」
十六夜「そういうわけでは……たぶん」
風鳴「俺らには判断できねぇことで、確かめるのも難しいな。だから……すまねぇが、頼む」
稲生「はっ……かひゅっ……ううう……うぁっ……」
瀬川「大丈夫かい?稲生くん」
元木 「お、おい……」
▶元木は稲生の肩に手を伸ばすと、恐怖で震えるように瀬川の方に身を寄せ、小さくなります
稲生「ひっ!あああっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!殴らないで……蹴らないでぇ……!」
元木 「……。………。」
▶伸ばしかけた手を引き、喫茶店から無言で出ていきました
瀬川「――――ふむ。稲生くん、僕の目を見てくれるかい?」
稲生「ひゅっ……ひゅーっ……やだ……こわい……ゆるして……」
瀬川「僕を見ろ。信じていいのは僕だけだ。何も信じられなくても、君は僕の庇護下でいると今までどおりの平穏な暮らしを望むことが出来る。僕は、稲生くんの紅葉への加入を心から歓迎する」
花園「あー……善意なんだろうが、なんというか……」
帯刀「もう諦めました。瀬川さんらしいですね」
風鳴「俺らに何か言う資格はねーよ。あっちはいいだろ、まだ残るってんならオーダーは受けるぜ?」
花園「……まあ、守ることはできても助けることはできねえからなあ。――その手の事は任せるに限る」
稲生「うぐっ……ひっ……。でも……でも……、私は……役立たずで……なんにもできなくて……足手まといで……。こんな……うっ……」
瀬川「僕には稲生くんが必要なんだ。誰でもない、稲生くんが。足も動かない僕の代わりに、夜叉……続けてほしい」
稲生 「なんで……なんで私なんですか……?帯刀さんだって……みん……あの人たちだって……いるじゃ、ないですか……。いらない……ただの……私なんて……ほんとはいらないんでしょ……?人手が足りないから……仕方なくでしょ……?」
瀬川「人手不足なのは嘘じゃないね。ただ、稲生くんが紅葉で必要なんだ。君がいないと、紅葉は成り立たない。だって、一緒に料理してくれるのは君しかいないからね……。帯刀くんも料理くらいしてくれればいいのに……」
稲生「そんな……そんなこと言って……。瀬川さんのほうが……料理も上手だし……私は失敗ばかりで……、余計に手間取らせて……配膳だって」
瀬川「大丈夫だよ。僕と一緒に成長していけばいいんだ。僕の手を、取ってくれるかい?」
稲生「うぅ……。でも……だって……、うううっ…………。ほんとに……ほんとに、瀬川さんは……私のこと、いじめないですか……?こんな……こんな使えない私のことを……、捨てないですか……?」
瀬川「ああ。僕は足も動かないし、移動もままならない。いじめようと思っても物理的に不可能だし、捨てたら困るのは僕の方だ」
稲生「守って、くれますか……?裏切ったり、しないですか……?……信じて、いいんですか……?」
瀬川「ああ。最初は僕を信じてみないか?」
稲生「…………うっ……ぇぇぇ……!」
▶稲生が瀬川に抱きつくのを複雑そうに帯刀は見ていたよ
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