第1297話 この家って一体なんなんだろうね? 的なお話
話をする度に、内容が婚約方面へと向かないかヒヤヒヤしつつなんとか会話を続けていく。
話の内容がいくつか変わっており今は何故か嫁達の話になっている。
こういう方面になると婚約方面に話が行きそうで怖いんだけど、そうはならないように出来るだけ嫁に関する話をしていく。
あ、ここでの嫁は二次元じゃないよ、ちゃんと実在してるよ。
「そう、結婚しているのは3人だけなのね。」
「あんまり機会がなくて……一応、拠点として借りていた家がある街で式をあげようってこっそり考えていたんですけどねぇ……気付けば国どころか海まで超えた先にまで来ててそれどころじゃないんですよね……。」
「そうなんですね。そういえばユキノちゃんとは変わった出会い方をしたそうですけど、その時はどう思いました?」
「どうって、それは単純に驚きですよ。目の前に突然現れるんですから。」
「それもそうですね。」
「というか、その話知ってるんですね。」
「ええ。以前斬葉がユキノさんと話した時に聞いたと言ってましたので。」
「なるほど。」
なんとか話を逸らしつつ会話をしているとフッと現れるロクショウさん。
その現れ方、憧れるけど急にやられると心臓に悪いのでやめてくれません?
会得したらやるけど。
「昼食の準備が出来ましたがいかがいたしますか?」
「ここに運んでください。」
「かしこまりました。」
「お昼の準備が出来たそうなのでここに運んでもらいますね。」
「いえ、そんな、悪いですよ。」
「でももう準備できちゃいましたし、余らせても勿体無いので食べていってください。」
「分かりました。ではお言葉に甘えさせていただきます。」
いつの間にかそんな時間になってたのか。
そして運ばれて来た料理は今泊まっている宿と遜色ないレベルの豪華さ。
そう言うと大名家にしてはしょぼく感じるかもしれないが、今泊まってるのってこの国でもトップクラスだから、当然料理もトップクラスと言っていいだろう。
それと同じとか凄いよな。
まあ、見栄を張ってる可能性もあるけど。
なんか知らんけど必要以上に貞操が狙われている気がするし。
お昼を食べた後、何故か模擬戦をする事になった。
それも相手は何故かキリカさん。
いや本当になんで!?
模擬戦をする場所はリュウガミネ家にある練武場と呼ばれる場所で、なんかめっちゃ広い地下室。
しかも備品の数も質も半端ない。
何ここ?
というか、何この家?
「レント、気を付けろよ。大名は元々かつて戦乱の時代に名を馳せた将達が他国における貴族のように任じられたものだ。つまり、全ての大名家は優れた武人の血を引く者達という事だ。無論、長い時の中でその血は薄れ戦闘が全く出来ない家も数多くあるが、リュウガミネは純粋なる武の一族。油断してるとケガだけじゃ済まないぞ。」
「初耳なんですけど!? というか、この見た目でそれはもはや詐欺だろう!!」
うん。
キリハさんは元より、その母親であるキリカさんも清楚な見た目をしており、とてもじゃないけど荒事なんて出来そうにない。
それなのに、武の一族て……。
でもその言葉は嘘ではないということはこの威圧感から知る事が出来る。
アデルほどじゃないとはいえ、格上である事は間違いないだろう。
「素手、ですか?」
「はい。取り回しの効く小さめの武器なども使えますが、今はとりあえずこれで。」
「じゃあ、俺も素手で。と言っても、素手の戦闘はあまり慣れてないんですよね。なので、稽古をつけてください。」
「あら、自分の方が劣ると簡単に認めるんですね。」
「自分の方が強いと自分を偽ったところで何の意味もないですし、現実が変わるわけじゃありません。だったらさっさと受け入れた方が色々と得られるというものです。」
「潔いですね。ですが、そういうのは嫌いじゃないですよ。」
「ありがとうございます。では、行きます!」
もちろん、けちょんけちょんにのされたんですけどね。
キリカさん強すぎ。
いや本当に、この家って一体なんなんだろうね?
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