第1130話 こういうのは別に望んでませんよ? 的なお話

さてと。

今日はどうすっかなぁ〜。

まだまだ行ってない場所もあるし、屋台巡りとかをするのもいいし、雑貨屋巡りとか家具とかを見て回るのもありだな。

寝具はこっちは基本布団だけど、それを見てみるというのもちょっと惹かれる。

グラキアリスとかは基本土足だけど、自分の家とか買ったりすれば使えるだろう。

それに、レイランでもベッドの上に敷けば普通に使えるだろう。

うん。

ちょっとありな気がしてきた。


「今日だけど、みんなは何かしたい事とかある?」


自分の希望を言うのもいいけど、ちゃんとみんなの意見も聞かないとね。


「あ、私この国の娯楽とか見てみたい。」

「娯楽って、賭場みたいのか? というか蒼井はまた爆死したいのか?」

「つ、次はちゃんと勝てるし!」


多分無理じゃないかな。

物欲センサーめっちゃ働いてそうだし。


「あ、私は図書館とか行ってみたい。ほら、他の国でも童話とか結構豊富だったじゃない? だから、ここならまた別の発展してそうだし。」

「あー。ありそうだなぁ。赤ずきんデスパレードとか。」

「うわ、何その物騒なタイトル……。そこは赤ずきんと死の軍勢とかにしなよ。」

「いや、変わってないから。」

「で、結局どこ行くの?」

「そうだなぁ……。」


とりあえず自分の意見でも言おうかなって時に仲居さんがやって来てお客様が来てるって教えてくれた。

お客様ね。

試験の日程でも決まった?

それとも何かトラブルでも起きた?

何にしてもとりあえず会ってからだな。


「おはようございますレントさん。鵺の買取についてご相談がありまして……。」


あ、そっちですか。

てか相談って何だろ?


「申し訳ありません。鵺に関してなんですけど、どこから漏れたのかは判明していませんが、鵺が討伐されたという情報が市井に流れているようで、幾つかの商会より買取がしたいという話がギルドの方に来ています。それで鵺を解体し素材毎に競りに出そうかと思っているのですが、どうでしょうか?」

「こちらとしてはきちんと代金が支払われるのであれば何も問題はありません。鵺自体討伐数が少ないという話ですので、そうなるのも仕方ないと思いますので。」

「ありがとうございます。では、その方向で進めさせていただきます。」

「要件はそれだけですか?」

「いえ、もう1つあります。実は、鵺の情報が漏れた事で、その、レントさん達に依頼を出せないかと話が来ているのですが、どうしましょうか?」

「あー、実はですね……「お客様がお越しになっていますが、如何致しましょうか?」……えっと……。」

「どうぞ。」

「すみません。」


ダブルブッキング?

いや、ちょっと違うか。

ギルドの人が来客の対応を優先していいとの事なので出てみますが……今度こそ封竜祭の使者さんでした。


「中に入ってもよろしいでしょうか?」

「えーっと、今ちょっと来客中でして……。」

「そうですか。では待たせていただきますね。」

「すみません。」

「いえいえ、お気になさらず。」


使者さんには待ってもらい、ギルドの人の対応に戻る。


「よろしいのですか?」

「待ってくれるそうなので。それで、話の続きなんですけど、実はさっき来た人は封竜祭の関係でして、自分は一応英雄役候補としてこの地に来てまして、既に二次試験まで合格しているんですよ。なので、申し訳ないんですけど……」

「ああ、大丈夫です。そういう事情であれば問題はありません。三次試験に集中してくださって結構です。」

「そうですか。すみません。」

「いえ。気にしないでください。では、私はこれで。」


理解してくれたようで、すぐにギルドの人は帰っていった。


次は封竜祭の方か。

そういえば前にもお客さんがたくさんやって来たって事あった気がするなぁ。

まあ、流石にもう無いよ……


「またお客様がお越しになりしたが、如何致しましょうか?」


早いよ!

というか、珍しくフラグ回収してるけど、こういうのは別に望んでませんよ?

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