第904話 まずは家具屋さんかな。的なお話

空気になっている間にお土産タイムが終わった。

なので今度こそ家に行こう。


えーと、確かこっちから行くと近道だったかな……あれ?

こんな道だったっけ?

というかここはどこで家はどこにあるんだ?

いかん……これ完全に迷った。

近道しようとしたのが間違いだった。


「迷った。」

「何やってるのよ……。こっちよ。」


迷った俺を見かねた蒼井が先導し……裏路地に出た。

そしてこの裏路地、分かりやすく言うならばピンクの雰囲気漂う裏路地だ。

ちょっと気まずい。


「あ、あれ……?」

「お前もかよ。」

「2人ともこっちだよ。」


結局セフィアに先導してもらい無事に家に着く事が出来た。

流石マッピングスキル保持者。

いやまあ、近道しようとしたのが間違いだっただけなんだけどさ。

蒼井にしたって俺が変なところに行かなければちゃんと家に辿り着けただろうし、原因は全部俺だな。


家の中に入ってみると流石は宿の女将なだけあって家の中はとても綺麗だった。

直近に掃除したのはいつかは分からないが、ちゃんと管理してくれていて感謝しかない。

とりあえず2、3日滞在する予定だから各自の部屋に荷物とかを出しておこうと思うのだが、その前に……。


「さて、まずはみんなの荷物を出そうかと思うんだけど、部屋割りとかどうしようか?」


部屋はリビングとかを除くと6つ。

家を借りたのは結婚後なので大きめの部屋は俺とセフィア、リリン、ルリエが使い、アカネとレイダさん、蒼井がそれぞれ1部屋ずつ使って計4つ。

なので後2つ部屋がありそれを客間にしたのだが、シア、ルナ、ユキノと3人いて部屋が1つ足りない。


「私はルナと一緒でいいわよ。いいよね、ルナ?」

「うん。」


ベッドは……追加で買えばいいか。

2人で1つのベッドというのも狭いだろうし、この前がっつり稼いだしベッド1つくらいどうって事ない。

うーん。

一層の事全部買い換えるというのも……いや、必要ないか。

確かに金はある。

あるけど、たった数日しか滞在しないのに買い換えるというのもどうかと思うし、何より、勿体無い。

別に貧乏性とか、そういうつもりはないけど、ここにある家具はみんなで選んだ物で、思い出が詰まってる。

それを簡単に捨てるのは勿体無い。

捨てるにしてもせめて、ちゃんと役目を全うさせてからにしたい。


「それじゃ後でベッドを買い足すとして、今は荷物を出して行こうか。」


俺達の部屋はいいとして、まずはレイダさんの部屋。

滞在中の着替えと、部屋でやりたいという裁縫道具一式。

それと武器。

武器の方も本人の希望で、朝晩に感覚が鈍らないよう軽く振っておきたいそうだ。


蒼井の荷物は本人が持ってるのでスルーして次はアカネの部屋。

こちらもレイダさん同様着替えと趣味の品々、そして本を読みたいそうなので希望の本をいくつか出しておく。

シアとルナ、ユキノにはアイテムバッグとアイテムボックスがあるから必要はないな。


そして部屋を見て気付いたが、流石にシーツ等は毎日洗っていたわけではないようで、変える必要があるみたい。

他に気付いた事はないな。

後で何か気付くかもしれないが、それはその時。

今はとりあえずベッドを買い足して、セラさんに一時帰還の報告、紅の帽子亭で飲むから、帰ってきてすぐにお風呂に入れるように準備もしておかないとだな。

ちょっと忙しいけど、1つずつこなしていこう。


「家の事をするグループと外に出るグループの2つに分けよう。俺とシア、ルナは外に出るから後2人付いてきてくれ。残りは家の事を頼む。」


そして希望者を募ったところセフィアとリリンが付いてきた。

ルリエは宿屋の娘として家事をやりたいらしい。

アメリタ義母さんに会って触発されたかな?


「それじゃ行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」


さて、まずは家具屋さんかな。

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