第769話 ジャベリンってなんだろうな……? 的なお話
お昼ごはんを食べようとしてギルドの酒場へ。
それぞれが頼んだ料理がやってくるのを待っていると、お昼休憩なのかアデラードさんとリナさんがやって来た。
そして自然な動作で近くの席へ。
「あ〜疲れた〜。エリーナってば仕事増やしすぎ! リナもそう思うよね?」
「えっと、それは私にはなんとも……。」
仕事が多いと愚痴るアデラードさん。
リナさんに同意を求めようとするけど、同意するのはちょっと難しいだろう。
上司の悪口は言いづらいだろうし。
というか、ギルマスと副ギルマスの板挟みになってんじゃん。
そりゃ言えないよ。
「えっと、お疲れ様です。それで、護衛に関してですけど、顔合わせとかってどうなっていますか?」
「え、ああ。それなら明日やるよ。といってもメンバーは前と変わらないんだけどね。そっちの方がやりやすいでしょ?」
「それは確かにそうですね。」
突然割り込んでの話題逸らしだけど、気になっていた事でもあるので、聞いてみたところ、その様な返答が。
ちなみに、助かったといった感じでリナさんは小さく頭を下げていた。
「でも、他の人は雇わないんですか? 色々と経験積ませたいって考えている人とか、やりたいって人とかもいると思うんですけど。」
「まだ2回目だからね。万全を期したいから前にやっていたメンバーにしたんだよ。」
「なるほど。後の事でしたけど、ジェイル家の馬鹿どもの事もありましたし、ある程度慣れている人がいた方がいいのかも。」
直接は関係なかったけど、もしも狩猟大会の時にやって来てたら大変なことになっていた。
もうそんな奴なんかいないとは思うけど、その時の出来事がきっかけで生態系とかが狂ってしまって生存圏を追い出された魔物が襲って来たりとかあるかもだし、慣れた人員の方が安心か。
………これがフラグになったりしないよね?
「それで、レント達はどうしてギルドに?」
「ちょっと訓練をしようと思いましてね。明後日狩猟大会ですからその前にちょっと体を動かしておこうと思ったんですよ。」
「そっか。感心感心。じゃあ、午後からも?」
「そうですね。午前は模擬戦をしていたんで、午後は魔法を主体にやろうかなって思ってます。」
「そうなんだ。頑張ってね。……あ、でも頑張るのはいいけど施設を壊すのはやめてね。前みたいにさ。」
「うっ! 気をつけます……。」
前やらかしちゃったしね、気をつけないと。
◇
お昼を終えて、訓練場にて魔法の練習。
まずは全魔法を撃ってみようかね。
ファイヤーボールから始まりドルヒにヒートバーナー、ランスにこの前の閃炎刃も放つ。
でも文字通り火力が段違いになるので重唱は使わない。
使うとロストマインドで倒れるかもしれないし。
ついでに木魔法も使ってみたけど、やっぱり全然だ。
まあ、そもそもここで使えるのは草結びと生長くらいなもんだけど。
他はトレントを呼んだり、トレントを通過させたりする魔法でこんな街中では使えないし、使えたら使えたで大問題だ。
街中にトレントを呼び寄せたとして捕まっちゃうよ。
そして一通り試してから、何を重点的に鍛えるか決めた。
今回はランスだ。
漫画とかでよくあるけど、ランス系の上位魔法として扱われたりするジャベリンに挑戦してみたい。
……まあ、ぶっちゃけジャベリンってなんなのかってイマイチよく分かってないけど。
とりあえず、大きさ、貫通力、速度なんかを上げてみようかね。
「炎よ、我が敵を穿つ槍となれ。ファイヤージャベリン!」
……うん。
違いが全くわからん。
やっぱイメージの問題かね〜?
普通のランスにしか見えんかったわ。
もうちょい細かくイメージしてみよう。
そうして繰り返し、レベルアップによって増加した魔力が全体の3分の1になるまでやってみて、なんとか速く、強く、大きい物になった。
でも、やっぱりランスとジャベリンの違いがわからずじまいだった。
というか、最後にランスの詠唱でジャベリンのイメージで撃ってみたけど、普通に撃てた時は驚いた。
本当に、ジャベリンってなんだろうな……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます