第408話 何かしてあげたい。的なお話
昼食を終えてお仕事が残っている3人と別れる。
さて、これからどうしようかな。
依頼の方は全然ないしそもそも昼からなんて中途半端な時間じゃな。
シアの防具もまだ先だし………アイリスさん、元に戻ってるよね?
いや、わざわざ確認しに行って戻ってなかったら困るしそっちは受け取る時まで時間を置いておこう。
問題の先延ばしとも言う。
「これからどうしよっか? みんな、どこか行きたいところとかあるかな?」
「そうねー、今は特に何か困ってるとかないし………あ、そういえば、短剣を買いたいかも。」
「短剣?」
「そ。別に困ってるわけじゃないんだけど、みんなのに比べて格が落ちるからもう少し良いのが欲しいかなって。今後のことを考えてもそっちの方がいいかなって思ってね。」
「なるほど…」
「確かにあの斬れ味は凄まじかった。私も刀を一振り打ってもらいたいものだな。」
でも、その内なんだかんだでアリシアさんが持ってきそうなのは気のせいだろうか?
いや、ユキノがいるし流石にそう迂闊なことは…………したな。
レイダさんがいたけど普通にやってきたことあったし、加護とかも。
「でも流石に色々買いすぎよね。私の防具にルナのローブに帽子。いくらオーガで儲けたからって、もうオーガ分の報酬は無くなってるよね?」
「あ〜、確かにな。」
「ごめんね。私達ので使っちゃって。」
「別に気にすることじゃないだろ。必要な経費なんだし。」
「でも、みんなも何か買いたい物とかあるんじゃないの?」
「え? うーん。フライパン、とか?」
「肉切り包丁。」
「大きな鍋、とかかな。」
「3人とも欲ないわね。なんで3人揃って料理関連なのよ。」
「レントに喜んで欲しいから。」
「ん。」
「そうですね。」
「あー、はいはい。ごちそうさま。」
「シアちゃんはそう思わないの? レントに喜んでもらいたいって。」
「そりゃ、思わなくもないけど……恥ずかしいじゃない。」
いやー、愛されてるな。
はっはっは。
はぁ。
俺、みんなに何かできてるかな?
なんだかんだで3人はいつも俺が喜んでくれることをしようとしてる。
それに対して俺は……
俺も何かしてあげたい。
幸いにも、今欲しいものを教えてくれた。
なら、それを作ろう。
俺には鍛治師スキルがある。
きっとなんとかなるだろう。
「よし。じゃあ、俺が作るよ。普段3人には色々してもらってるからな。シアとルナは何かある? もしあるなら一緒に作るけど。」
「今はないわね。思いついたらまた後で言うわ。」
「私も、今はない、かな。」
「じゃ、グラハムさんとこに行ってくるわ。」
「うん。いってらっしゃーい。」
3人のために、頑張るぞ〜。
◇
「というわけなんで、工房貸してください。」
「嫁さん達の為に調理道具を作りたい、か。そういう事ならいいぜ。好きに使ってくれ。」
「といっても、ウチは武器屋なんだから、どうせ作るなら武器を作ってくれよ。指輪とか、包丁とかじゃなくてさ。」
「あはは……それはその内という事で。」
まあ、その内ユキノの為に刀をと思っているしそれは追い追い、かな。
使うのは鉄でいいかな。
素材やらのお金を払ってから炉にくべる。
先ずはフライパンから。
フライパンは簡単だな。
形も分かってるし、取っ手は木でいいか。
さて、やるとするか。
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