第272話 神とラノベでお喋り的なお話
〜セフィア視点〜
「それで、レイカーさんはどうしたんですか? アリシアさんとレントなら鍛冶修行をしてるんですけど。」
「これを持ってきたんですよ。」
そう言ってレイカーさんが取り出したのは新しい本だった。
「あ、新しいの。そういえば前の奴はどうすればいいですか?」
「それはまだ大丈夫ですよ。貸し出してるのは私個人の本なんで。」
「え!? これ全部ですか!? そんな。本なんて凄く高いのにこんなにも買えるなんて、神様ってすごいんですね。」
「いえ、これらは意外と安いんですよ。大抵は地球世界の物で地球世界は製本技術も製紙技術も発達してますからね。」
「レントの世界って凄いんですね。」
「そうですね、あの世界は魔法がありませんからその分技術を発展させてきたんですよ。」
これらの本が安いなんて凄いな〜。
「それで、この本の中でレイカーさんのオススメってありますか?」
「そうですね、これなんか如何でしょうか? 蓮斗さんと同じように異世界に転移した人が主人公ですから親しみが持てるんじゃないでしょうか?」
「へー、ちょっと面白そうですね。」
「ええ。面白いですよ。」
「セフィアさん、レイカーさん、それに皆さんも、お茶を淹れてきましたよ。」
「ありがとう、ルリエちゃん。」
「どういたしまして。それよりも、この本の続きってありますか?」
「あ、それなら……えーと、あった。これですね。」
「ありがとうございます!」
「いえいえ。ルリエさんはそれがお気に入りなんですか?」
「はい。宿屋の看板娘が主人公で共感できることがよくあって、凄く面白いです。」
「成る程。それならこちらの本も楽しめると思いますよ。異世界転生物で地球で得た知識で実家の宿屋を一流店にするお話ですから。」
「ありがとうございます。これが終わったら読んでみますね。」
「はい。」
「レイカー。斧と魔法の世界を剣で無双しよう。の続きは?」
「ありますよ。それ、気に入りました?」
「面白い。」
「それは良かったです。」
ルリエちゃんもリリンもお気に入りの本の続きが気になるみたい。
その後もユウキちゃんもアカネちゃんもレイダさんもお気に入りの本の続きを要求してた。
みんなもハマってるんだね。
と、それよりも僕もあの本の続きを借りないと。
魔法使いが前衛で何が悪い! の続きが気になってたんだよね。
その後はレントとアリシアさんが戻ってくるまで楽しく本の話をしたり本を読んだりした。
〜蓮斗に戻ります〜
あれから3時間。
鉄の精製から始まり、鉄のインゴット化、武器の研ぎ、歪み直し、指輪の製作とこれまでにやってきた事を実践した。
その間ずっとアリシアさんが様子を見てたから凄く緊張した。
でも、そのお陰か集中力がいつもよりも続いて無事に合格をもらえた。
「全部問題なく出来るようですね。」
「合格して良かったです。」
「もう晩御飯の時間ですから今日はこれでおしまいにします。続きはまた明日ですね。」
「明日は何時頃ですか?」
「そうですね……明日の午前中は生命神との話し合いがありますから、午後からですね。」
「分かりました。」
「それでは戻りましょうか。」
「はい。」
そしてまたアリシアさんが指パッチンをすると家の中にいた。
戻った場所ではセフィア達が本をたくさん並べながらレイカーさんと一緒に仲良くお喋りしてた。
「随分と楽しそうに話してますし……晩御飯は私が作りましょうか?」
「いいんですか?」
「はい。腕によりをかけて作りますね。」
「じゃあ、俺も微力ながら手伝いますよ。」
「ありがとうございます。それでは始めましょうか?」
「はい。」
流石は神様といったところで料理も完璧だった。
出来上がった料理をお喋りをしていたみんなと一緒に美味しく食べた。
というか神様と一緒にご飯を食べるなんて教会関係者に知られたらどんな反応するのかな?
まあ、めんどそうだし言わないけど。
お二人が帰った後はお風呂に入り、嫁達と愛し合ってから眠る。
鍛冶の疲れがあるからかよく眠れそうだ。
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