第249話 モンスターパレード(3)的なお話

なにやら変な音が聞こえてくる。

ゴロゴロと何かが転がっているような音だ。

それに合わせてグギャとかギャウとか聞こえてくる。

なんか、魔物の悲鳴に聞こえるんだが……ひょっとして味方ごと?


「何だあれ? 黒い岩?」


避けようと横に移動すると岩も追って曲がってくる。

何なんだこれは!?

ウルなんとかの剣と黒鉄の剣を思いっきり叩きつけて受け止めるが5メートルくらい強制的に後退させられた。

しかし、その甲斐あってなんとか動きを止めることが出来た。

そして見た全貌は球状の物体。

それが割れるようにして開き中から沢山の脚が見えてくる。


「こいつ、ダンゴムシか!? というかデカッ、キモっ!」


俺の身長以上のサイズが割れてそこから見える脚がウゾウゾとしてて凄く気色悪い。

なんか、背筋がゾゾゾッてする。

あまりのキモさにおもわず火魔法で焼いてしまった。

デカイのがいけないんです。

やっぱりダンゴムシは小さくないと。


デカダンゴムシを倒してひと息つこうとしたら……


「また来た!?」


2体目のご登場。

セフィアの釘バットを拝借し構えて……


「ぶっ飛べ!!」


フルスイングをした。

流石にこのサイズを空振りするのは無理というもの。

見事クリーンヒットをして来た道を転がりながら帰っていった。

………って帰してどうすんのさ。

あ、戻ってきた。

とはいえ、ちょうどいい時間稼ぎにはなった。


「フレアランス!」


炎の槍がキーンと飛んでいきパンッとランスが弾けた。


「結局コレかよ!」


一体目と同じ様に二振りの剣で受け止めてから焼いた。

ふぅ。

なんとかなったな。

そういえばみんなはと思って辺りを探してみたら二足歩行をするトカゲの集団と交戦中だった。

あれはリザードマンか?

足下には十数匹のトカゲの死体がある。

それでもまだ二十ほどのトカゲが存命でセフィア達が戦っている。

そんじゃ、俺も加勢しますか。


後ろからコソッと近づいて殺ろうとしたら察知されてしまい不意打ちに失敗した。

とはいえ、格下だから慌てる必要もなく敵の攻撃を躱し頭を飛ばす。

俺が後ろから参戦した事で動揺したのかその隙をついてセフィア達が一気に攻勢に出てものの1分で倒すことが出来た。


「随分と沢山いたな。」

「助けてくれてありがとね、レント。」

「当然だろ。それよりもあと少しであの怪物のところにたどり着くけど、どうする? 他の人たちに任せて俺達は雑魚を倒すか? それとも、あいつに挑む?」

「あいつを倒すよ。誰かに任せてその結果誰かが死ぬかもしれない。でも、僕たちならきっと勝てる。犠牲を無くすにはそれが一番良いし、それに、僕が倒したいんだ。多分、あいつが一番強い。あいつを倒すことがお父さん達を、この街を護ることに繋がると思うんだ。僕はこの街を護りたい。」

「分かった。それじゃ、俺、セフィア、リリン、アカネがあいつと戦う。ルリエ、蒼井、レイダさん、ユーリ、レヴィは俺達に雑魚が近づかない様にする。みんな、それで良いよな?」

「「「「「「「「勿論!」」」」」」」」


そうと決まれば、早速あいつのところに行こう。

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