第152話 一緒に受けます。的なお話
ふわぁ〜。
よく寝たな〜。
ってもうこんな時間!
今日は予定が目白押しなんだから急がないと。
その為にはセフィア達を起こさないと。
「セフィア、リリン、ルリエ! 起きて。もう、七時半になってるよ!」
「どうしたの〜。」
「むぅ。」
「あと五分。」
目を擦りながら軽く上体を起こすセフィアにはグッとくるし睡魔でぐずるリリンやベタな台詞を吐くルリエが可愛いけど、今はそれどころじゃない。
セフィアに対する欲情とか、リリンとルリエを甘やかしたい感情があるけどそこは我慢して三人を起こすと即座に部屋を出ようとする。
「うわっ!」
「きゃっ! びっくりしたー。」
ドアを開けると何故か蒼井が立っている。
「どうした?」
「え? 何? 何を言ってるの?」
「は?」
「本当に何を言ってるの?」
どういう事だ。
急に言葉が通じなくなるなんて、一体……って、あ! そういえば防音の魔道具を使っていたっけ。
なので一歩踏み出して結界の外に出ればいいはずだ。
「えっ! ちょっ、急に何!? あんたお嫁さんがいるのにそんな……」
「何言ってんだ。というか何の用だ。」
「へ? 急に聞こえるようになった。どういう事?」
戸惑っている蒼井に魔道具につい説明しつつダイニングに向かう。
早く朝ごはんを食べないと依頼がなくなってしまう。
俺達に少し遅れてやって来たセフィア達だが、流石に時間がもったいないという事で俺、セフィア、リリンは買いだめしている出来合いのもの食べて、速攻で家を出る。
蒼井達の分は食材を渡したルリエに任せた。
「行っふぇひまふ。」
「行ってきます。」
「行ってくる。」
「行ってらっしゃい。お兄さん、セフィアさん、リリンさん。」
◇
「うーん。どれがいいかな?」
「戦った事ないやつのがいいよね。」
「これは?」
「えーと、何々? リザードマンの群れの討伐? リザードマンのランクっていくつだっけ?」
「えーと、確かDじゃなかったっけ?」
「それは単体。群れになるとCになる。」
「アレクシアさんが何を想定してるかで変わるからな〜。群れなのか、単体なのか。魔法を使うかどうか。だから、もう少し考えよう。」
「そうだね。」
「ん。」
「一応、ハードジャイアントを想定しているけど。」
「へ?」
「昨日ぶりね。それで、受けてくれるの? なんかそんな感じの事言ってたけど。」
「それを考える為に今こうしてちょっいろいろ試してんの。」
「ふーん。じゃあ、一緒にこれを受けない?」
「これって?」
「アイアンゴーレム。Cランクの魔物なんだけど、試しには丁度いいかなって。」
「丁度いいって?」
「ハードジャイアントは敏捷性が低いけど、その代わりにすっごく硬いらしいのよ。だから初めてBランクの依頼を受けるのには死ぬ可能性が低いって思ってるの。」
「アイアンゴーレムと特性が似ている。」
「うん。完全に上位互換。だから丁度いいかなって思ってるの。どう? 連携のいい訓練になると思うんだけど。」
「そうだな。それじゃ、受けてみるか。いいよな。」
「もちろん。」
「ん。」
「じゃあ、受けてくるわね。それと装備とかの準備もあると思うから三十分後に北門前集合って事で。」
「りょーかい。」
そんなわけでアレクシアさん達と組んで依頼を受ける事になった。
とはいえ、アイアンというからには硬いのだろう事は容易に想像出来る。
だから打撃武器でも買っとこうかね。
俺のは未だにヒノキの棒だし。
それから三十分後。
新しい装備を購入した俺達は北門前に到着した。
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