第85話 初めての夜営的なお話
振り返るとそこには先程クルトを振った受付の人とリィナさんだった。
良かった。面倒ごとじゃなさそう。
多分だけど。
「どうしたんですか?」
「レントさんとセフィアさん、そしてリリンさんに昇格のお話があって。」
「三人ともですか?」
「そうですよ。それで今回は三日後に行うのですが、どうしますか?」
俺はそれを聞いてどうしようかと思い、二人に聞いてみるがどちらもやる気に満ちていた。
まあ、特に用事も無いしね。
「やります。」
「分かりました。それでレントさんとセフィアさんには出来ればでいいので依頼の方を受けてくれませんか?」
「「はい?」」
「…?」
「それは私が説明しよう。」
「リィナさんが。」
「うむ。二人は既に実力的には申し分無い。それ故に今回は冒険者としての能力を見るべきだと思ってな。それをセラに頼んでみたのだ。因みに今回の依頼は護衛依頼だ。」
「護衛…ですか。そういえばまだ受けたこと無かったですね。ちょっとセフィアと相談してから決めていいですか?」
「もちろんです。これは強制ではありませんからね。」
「分かりました。考えておきます。」
「よろしくお願いしますね。」
「はい。」
◇
「それでどうする?」
「今後の事も考えて護衛はやっておくべき。」
「それはそうなんだけどね、いきなり護衛はちょっとキツくないかな?」
「とりあえず、ダンジョンで夜営でもやってみるか?護衛依頼ならやるだろうし。」
「そうだね。とりあえず夜営をやってみて出来そうなら受けるって事にしとこうか。」
「ん。」
「となると、野営道具に食糧に、他は何かあったかな?」
「焚き火用の薪。」
「そうだった。それもあったな。じゃあ、全部集めたらダンジョンに行くということでいいかな?」
「うん。」
「ん。」
◇
「全部揃ったし、じゃあダンジョンに入るか。」
「うん。」
「それで、夜営の時の注意点って何かあるかな?」
夜営における注意点をリリンに聞いてみると、やはりいかにして魔物を避けるか、出来るだけ複数人で行動し見張りの人員を確保するかということだった。
うーむ。試験の時は二人じゃ駄目かも。
となると他の人と臨時パーティを組む事になると思うが、果たして上手く出来るかな?心配になってきた。
セフィアに手を出そうとするやついたらマジでどうするかわかんないぞ、俺。
とはいえ、やはり今後の事を考えるとなんとかしないといけないし、その為にダンジョンに行くんだよな。
よし、とりあえずやってみて、それから考えよう。
そういうわけでダンジョンに入って行く。
ルリエには今日はダンジョンで夜営するから夕食はいらないと伝えておいてある。
そしてダンジョンの中はやはり変わっているが、三階層までは特に問題なく進む。
そして罠が出てくる四階層に入るが、今回は夜営の訓練が目的な為罠は全て回避していく。
俺の罠適応のレベリングはまた今度だ。
そして順調に進んでいき今は八階層の階段前の広間にいる。
今の時間は午後19時24分。
丁度いいので、今日はここまでにする。
そしてストレージから食材と調理道具を出していく。
以前鑑定をした時にアイテムボックスのスキルを設定していたし、これくらいは問題ない筈だ。
そして夕食を食べたら夜営の際の見張りの順番を決める。
今回は睡眠がばらける二番目をリリンがやってくれる事になった。
そして一番目を俺が、三番目をセフィアがする。
今まではこういう広間には休憩くらいでしか使った事ないから、なんか緊張するな。
何もなければいいが。
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