第20話 加護と電撃的なお話
「なんかもう、どうでも良くなってきたんでひとつだけ聞きたいんだけど、この身体は成長して年取ってそんでじじいになって死ねるのか?」
「ええ、その辺は大丈夫ですよ。この世界で生きるのに必要な要素を組み込んだ以外は魂の情報や記憶から形作っているので。」
「そうか。」
「ですがこの世界には不老のスキルもありますし、大きな魔力を持つ者は自然と長命になりますので、地球にいた時と同じ様に歳をとる訳ではないですよ。」
「そんな漫画みたいな。いや、まあ死ねるならいいか。不死になって親しい者と死に別れ続けるなんて拷問受ける気ないし。」
「世の中の不老不死を望む者達を敵に回す様な事を平然と言いますね。」
なんてアリシアさんと話していると様子を伺っていたセフィアからこんな声が上がった。
「あの〜、話が着いた様なので、そろそろここに来た目的を教えてくれませんか?」
(こくこく。)
「あ、それもそうですね。私がここに来た理由は蓮斗さんと関係をもったあなた達に彼についての説明とこれからもよろしくというお願い。それとお二人に私の加護を授けようかなと思ったからです。」
「えっ、加護ってそんな簡単に頂いていいんですか?」
「洗礼の儀式をしても受けられるのは極僅かのはず。」
「儀式をしても必ず私達に届く訳ではありませんし、届いたとしても必ず加護を。と言うわけではないのですよ。それに加護といっても一番弱いもので、レベルアップ時に全能力の内のどれかをランダムで上昇量を増やすというものです。」
「そんなんですか?加護がついても何が変わったか迄は聞いたことがなかったので。」
「私達もそれ?」
「いえ、あなた達のは蓮斗さんと同じでレベルアップ時に全能力の上昇量を増やすというものです。更には属性所持上限解除、スキル取得率及びスキル経験値取得量の上昇(3%)の効果があります。」
「「…凄い。」」
「は〜。あれってそんなに凄かったのか。」
「なんでレントまで感心してるの!?」
「でも、ステータスには無かった筈。」
「それは超隠蔽のスキルで隠しているからだと思いますよ。」
「いや、その通りなんだけどなんであなたが答えるんですか?後、加護はやんなくていいんですか?」
「それもそうですね。ではセフィアさん、リリンさん、そろそろ服を着ませんか?蓮斗さんも。」
「「「……あ。」」」
アリシアさんが突然来たり、衝撃の真実を聞かされたりでスッカリ忘れてました。
今更ながら恥ずかしさを覚えつつ着替えました。
「それでは、改めてセフィアさん、リリンさんこちらに。」
「はい。」
「ん。」
「目を閉じてください。」
「では、いきますよ。我、女神アリシアの名の下にこの者らにささやかな加護を。」
二人を自分のもとに集めた後になにやらそれっぽい詠唱をするアリシアさん。
でもベッドの上に立っているもんだから締まらない。
それに場所が場所だから、美人さんと美少女が儀式ごっこしてるみたいで少し滑稽だ。
「はい。終わりましたよ。あ、後、自己鑑定(セルフチェック)スキルもオマケしときました。」
「え、いいんですか。」
「蓮斗さんは異世界人なのでスキル無しで出来ますが、お二人はいちいち鑑定しに行かないといけないので面倒でしょうから。」
「ん、ありがと。」
「ありがとうございます。」
「それでは最後に蓮斗さんに木属性の使い方を教えましょう。こちらにきてください。」
「え、あ、うん。」
何をするのかな〜?
漫画みたいなスパルタかさっきみたいな儀式的なものか?
それとも理論でくるのか、意外や意外実は感覚派な感じか?
なんかこう木がぐいーんてなるよう魔力をグワって、みないな…
なんて考えながらアリシアさんの所にいくと徐に頭を掴まれて
「アバババババ!!!」
なんかすっげービリビリきました。
それにHPが300くらい減ってます。
「終わりましたよ。」
「いきなり何するんです…か…ってなんか頭に使い方が浮かんでくる。」
「これで使えるようになりましたよ。といっても初歩の初歩なのでちゃんと修練して下さいね。」
「えっと、それで電撃の必要性はあったんですか?」
「ありませんよ。そうした方が面白いかなと。」
「ひどっ!」
「「…どんまい。」」
こっちの世界にもドンマイって言葉あるんですね。
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