第8話あなたに関する七つの着想

あなた、わたし、異質

同じ惑星

同じ肌色

けれどね、亜空間のあなた

あなたと夢で会えません

あなた、夢を見ないので


わかりにくいよって言われた

あなたったら単細胞ね

相当だよって言われた

あなたも無神経だと思うよ

無関心って言われた

あなたが自分を好き過ぎるだけ


吸気みたいな求愛にうんざり

接吻よりも抱擁が好きなのに

冷蔵庫のドア 閉めるように

あなたの頭頂部に秘密を囁く

呼気で愛していたの

優しさが、まだ生暖かい


大切にされることが大切なのか

わたし、卒倒したいのに

あなた、受けとめるでしょ

輝く瞳の奥

使命感の炎が燃え尽きるまで

私は万年夢遊病者


あなたがかなしい顔をしている理由は

いつもわたしと無関係だ

そう言うとあなたはきっと

悲しい顔をするだろう

その顔を見て傷つくのに

見たくてたまらないのだ


砂漠の景色は

昼と夜ではまるで別人

旅は道連れ

世は情け

目的地は秘密にしましょう

また変わるかもしれませんから


ふたり、水槽を漂う金魚みたい

かつて 排水口に流してしまった一匹も

水槽で共食いした勝者も

なぜか消えてしまって

どこへ消えてしまったの

ところで英語で金魚は

ゴールドフィッシュ、というらしい

なんとも残念な名 










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