アリスとテレス

二人は結合ソーセージ

一つしかない肩甲骨はかつて　天使の羽根であったことを

アリスは知っていて　溜息一つ

テレスは興味がなく　欠伸一つ

琥珀色のシーツの上で

二人はよく眠る

そのときはきまって

アリスは夢を見ない

テレスはいびきをかく

二人の自慢は足が速いこと

踵は尖っていて

走るとき少し痛い

アリスの利き足は右

テレスの利き足は左

二人はまったく瓜二つ

過去　現在　未来

きっとずっと変わらない

いつか群青色の夢を見たいアリス

夕焼け色の夢を食べたテレス

溜息一つ

欠伸一つ

肩甲骨はあわせて三つ

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