詩花ノ園

唯ノ芥

軛ノ哀歌

 



 上澄みの愛から零れ落ちた


 透き通るようなその白に


 縞模様のあかが悔しくて


 ついついきたくなるんだ




 別に珍しかないんだ


 凍てつく朝に気づいたんだ


 生傷の滲んだ水面に


 痛みとともに送ったんだ




 数刻の重力ばつを祈って


 底に溜めた最後の嘘は


 掻き混ぜられて


 途端に純度いろを失ったんだ




 本気でねだった優しさは


 向こう岸から帰って来たけど


 望んでいない末路へと


 強く手を引いて怖いんだ




 救われたいわけじゃなく


 すくいたいんだ


 この身と心を糧として


 命の時間が違うならば


 傾く星が巡ったならば




 救われたいわけじゃなく


 巣食いたいんだ


 この身と心をにえとして


 魂の価値が同じならば


 あまねく神が創ったならば



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