第21話 疑問
「ねぇ…
夕食を食べ終わり俺と
「はい。」
「あの子、未だに降りて来ないのだけど…何かあったか知らない?」
俺はその言葉を聞いてドキッとした。
実はあの後、頭を打った
そして晩御飯も食べずに今も現在進行形で部屋に籠っているのだ。
「えっと…ど、どうなんでしょう…。」
俺は取り敢えず言葉を濁した。
(ヤ、ヤバイ…流石に今まで起きたことをそのまま伝えるのは気が引ける。
だって
うん、言えない。絶対に言えない!)
そんなことを考えながら手を動かしていると。
「
「いや…特に何もない…です。」
俺はその声の迫力に圧倒されながらも何とか踏みとどめた。
すると
「そう…もし何か心当たりや困ったことがあったら何時でも言ってね!」
その言葉は今までの張りつめた様な空気を一瞬で消し飛ばした。
「はい!」
俺は返事をしながら緊張の糸が切れたようで、
今まで入っていた肩の力が一気に抜けたような気がしたが、
それと同時に俺の心に罪悪感がこみ上げてきた。
(あぁ…本当の事を言った方が良かったのか?
俺はどうすればいいのだろうか?…)
「そういえば、
俺が考え込んでいると
「はい、なんですか?」
「いやね…もしかしてだけど…」
春美さんは何故か急に口ごもる。
「?」
俺は首を傾げた。
「えっとー、間違っていたらごめんね。」
「はい?」
春美さんはやたらと保険をかけてきた。
(え、何か重要なこと…なのか?)
俺はそう思い身構えた。
春美さんは一呼吸おいてから口を開いた。
「中也君…もしかして…今、お付き合いしている女性がいるの?」
俺はその言葉を聞いて驚愕した。
(何で
俺が一人でパニックになっていると
「あぁ…やっぱり…フフフ…そっかぁー。」
春美さんは笑みを浮かべながら小さく呟いていた。
「え…ど、どうして知っているんですか⁉」
俺は思わず
すると
「いやね…そっくりなのよ…
笑いながら話す
「えっとー…どういう事…ですか?」
「あぁ、ごめんなさい。実は…」
俺はまた聞き返すと
少し長くなったので要約すると、俺の父さんに彼女が出来たときに
今の俺と同じように一人で考え込むことが多くなったらしい。
「あと、これは憶測なんだけどね。
私はね…君のお父さんに彼女が出来た時に今のあの子たちと同じように
部屋に籠ったり、親の言いつけを聞かなかったりしたのよ。」
とも笑いながら話してくれた。
一通り話を聞いた後に疑問に思ったこと聞いてみた。
「じゃあ…もしかしてですけど、それって嫉妬ですか?」
「多分ね。」
俺の質問に対して
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