重厚な物語で潮の香りがするようでした。
漁師のお話とタイトルがどう繋がるのか読み始めは気になりましたが、それを忘れるほど途中から主人公のキヨシの語りに惹き込まれました。
終盤でタイトルの意味が分かるので、そういう事かと納得いたしました。

一つ、カクヨムの特徴上仕方ないのですが、途中で読むのを止めるとどこまで読んだか分からないのが困りますよね。
４万文字弱を一気に読むのは時間がかかるなと思いました。読書の時間をしっかり取れる時でないと、カクヨムの読み手の皆さんが読むのに気合いがいるかもしれません。
カクヨムだと前中後編、もしくは何章かに分けるともっとこの良作な物語を読める人が増えるのではないかと、そのあたりがもったいなく感じました。

映画を観ているかのように、登場人物達がイキイキと動いて、情景が浮かびました。
哀愁が漂ったり、人生のどうにもままならないことが辛く響き沁み入るようでした。
キヨシの人柄や愛嬌の良さが滲み出る文章には痺れるものがありました。
紅さんも苦労してるな〜と、胸が痛かったです。

ラストの締め括りに、はあ、良かったな〜と胸を撫でおろしました。

読み応えがありました。
とても勉強になりました。
読めて良かったです。
ありがとうございます。(*´▽｀*)