第74話 壁の顔

白い壁にタバコの煙を吹きかけると、何かが浮かび上がってくるようで面白かった。毎日何度も続けるとヤニ色で肖像画が浮かんで来た。超能力かよとニヤニヤしていた。医者から肺がんで余命三ヶ月と聞いた日、肖像画の人物が俺だと気付いた。ずっと苦しみ続けた。臨終が近づいた時、鏡を見た。この顔だ。

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