第16話 無知

知らぬと禅師は叱った。高名な僧であったが、弟子が何度問いかけても知らぬとしか答えない。ある時、問答を仕掛けに来た客がいたが、知らぬの一言で相手を平伏させてしまった。弟子は知らぬを真似た。何を言われて知らぬ。そのうち本当に何も知らなくなった。ふと、これが悟りだと気付いた。知らぬが仏

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