そせじ番長140字小説集

そせじ番長

第1話 漫才師

今日だけは絶対にとちるんじゃねえぞ。哲二は、俺を思い切り平手打ちした。前払いじゃ、ボケ。目に殺気がある。舞台にあがる前、哲二は膝をついた。駆け寄る俺を押し返して光の中へ笑顔で分け入っていった。切れるようなツッコミにボケ返した。哲二はその夜死んだ。お前が相方でよかったよと言って。

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