第5話 地図とナビに関する考察

 仕事柄、現場によく赴きますが、少し前まではナビに頼りすぎていました。

なんど訪れている土地でも一向に土地勘が身につかず、方向音痴を言い訳にしていました。

 経験で知っておられる方も多いと思いますが、ナビのルートは細い道を案内したり、高速の使い方に無駄があったりと、最適なルートとはとても言えません。


 先輩にすごく地理感覚が抜群な人がいて、聞いてみると「俺は地図帳使っていたからな」とのお言葉が。また、別のある人は「地図帳で見つけた名所やスポットを訪れるのが楽しみなんだ」ともおっしゃっていました。


 そこで僕も地図帳を購入し、出かける前にルートを検討しました。大原則は①大きい通りを使う。②曲がる回数を少なくする。③高速の上手な使い方をする。この3つです。


 地図帳の良いところはいくつもありますが、出発地点と目的地をちゃんと道をなぞってたどれるところが第一の利点ではないでしょうか。「そんなのスマホでもできるじゃん」とおっしゃるかも知れませんが、あの小さい画面のひいた地図では、出発地点と目的地を繋げる道を、知覚できる形では映せません。結果として現在地、あるいは目的地の拡大地図を映すだけとなり、地理感覚は養われにくいでしょう。


 ここで、Twitterでつぶやいた「ナビで自動的に目的地に案内されることと、他人が作った原稿を読まされることとの類似性」について述べたいと思います。


 要は、「他人の作った原稿(ナビ)を使えば、とりあえずの解答は出せるんだけど(目的地への到着は果たせるんだけど)、自分でその論理の過程を構築してなぞらえた訳ではないので(自分で地図帳を使ってルートを検討した訳ではないので)、いつまでたっても自分ひとりでは解答を出せるようにはならない(自分一人では目的地へたどり着けるようにはならない)」ということです。




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