第9話 夜会 トラブル勃発!!


 とうとう夜会の日がやってきました。




 御姉様方は美容には余念がないよう。朝からマッサージ師を呼び全身綺麗にしてらっしゃいます。




 私はお母様と刺繍を縫っております。


 ローラン様にドレスとアクセサリーのお礼にハンカチを贈ろうと思いまして。


 もっと豪華な物を差し上げたかったのですが、考えてみればお金をあまり持ってませんでした。八歳ですから!




 お母様に相談したところ、手作りの物をあげたらどうだと言われたので、無難なハンカチにしてみました。ハンカチなら必要なものですし、使っていただけるでしょう。




 それだけでは物足りないと思いますので、明日はお母様と街へお買い物に行くことになりました。




 お母様はお裁縫も得意で、私達が着なくなった服とかをアレンジしたり、ハンカチとか色々な品物を縫ってます。


 私達の普段着とかも縫ってくれてます。


それを寄付したり、お母様のお友達が経営している雑貨屋のお店に売ったりしてるようです。




 今回はお母様が持っている生地の中からローラン様のイメージの濃い青色の生地いただいて、お母様に教わりながら作っている最中です。


 刺繍部分はギィディングス家の家紋を縫ってます。これがなかなか難しい。






 何回か指先に針が刺さりながら頑張った結果、なんとか夕方前には仕上がりました。


 ローラン様、喜んでくれるといいけど。










 プレゼント製作の後は夜会準備が待ってました。




 私はメイドに髪型をしてもらっています。本日は髪の毛をアップしております。ドレスが白色なので髪飾りは白色のレースを飾り付けにしてます。


 髪の毛をアップしたら大人っぽくなりました。


 今回のお化粧は大人しくされました。前回の唇は透明なグロスをしただけで、今回はうっすらとピンクの口紅をつけてました。それだけで、グッと大人っぽくなりました。平凡な顔の私だけどちょっとは可愛いくなった気がする!




 次はドレスを着用し整える。アクセサリーも付けた。




 「▪▪▪▪」




 ダイヤモンドがキラキラ光ってます。アクセサリーに人間が負けてます(泣)


 あとは手袋を嵌めて終了です。




 着替えが終わって応接室に行くと御姉様方もお着替えが終わって集まってました。




 ノーレン御姉様の衣装はとてもお似合いですが、おっぱいが盛り上がりこぼれ出そうになってます。あともうちょい下なら○首が見えそうですわ!胸の部分が大胆に開いてるとは思ってましたが、そこまでとは!!大胆過ぎます!ノーレン御姉様!巨乳が目立ちます!


 衣装に合わせて口紅も真っ赤な色を塗ってて、15歳なのにお色気満タンですわ!▪▪▪将来が怖いですわ。






 アンナ御姉様も、思って通り青色のドレスが似合ってました。髪の毛は縦ロールにして頭にはリボンをしていて、とても可愛いくなってます。




 リリアン御姉様は黄色のドレスで髪型はポニーテールして、これまたよく似合ってました。




 そうこうしてる内にローラン様がお迎えに来ました。




 「フレア、とてもよく似合ってるよ。」




 満面の笑みで誉めてくれた。




 「ありがとうございます。」




 「さあ、行きましょう。」




 私はローラン様に手を引かれローラン様の馬車へ、お母様と御姉様方はアンドリエ所有の馬車へ乗り込んで、夜会へ出発した。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 夜会場所の王城へ着いて、それぞれ馬車から降りて夜会会場へ向かった。


私もローラン様の手に引かれて馬車を降り、会場へ向かっている最中に警備にあたっているギオレットお兄様と会った。




 ギオレットお兄様はまだ学生ですが、17歳から騎士団に実習に行っています。この警備も実習の一環だそう。


 ギオレットお兄様と軽く会話をし、急ぎ会場へ向かった。






 ▪▪▪▪。


 しかし歩きにくいです。


 ローラン様の身長は192センチ、私との身長差は68センチあります。身長差があるのが分かってたので靴はヒールの高さ5センチがあるやつを履いてます。それを足しても63センチの差があるし、履き慣れてないヒールの高さがある靴がプラスして、歩き難さこの上ない。




 この身長差だから、傍目から見たら親子にしか見えないだろうな▪▪▪。足の長さも違うから歩幅も、当然違う。私に合わせて歩いて貰ってるが少し小走り状態になっている。




 ちょっと息切れなりそうになりながら会場の入口に着いた。


 一息ついて、いざ!夜会へ!








 会場に入ったら、すでに熱気が漂っていた。


 しかも女性の皆様は気合いが入ってるのか色んな香油の匂いが交差しプンプンする。


 前回も匂いはあったけど、ここまでは匂わなかった気がする。


 ちょっと酔ったかも。


 前世でも香水とか苦手だったんだけど。






 「フレア、顔が少し青い感じがするけど大丈夫かい?」




 香油に酔ってのを気付いたローラン様が気遣う。




 「大丈夫ですわ。ちょっと雰囲気に少し酔ってしまって気分が悪いだけですわ。」




 「気分が優れないなら、少し外の空気吸った方がいいね。あそこのベランダに出よう。」




 ローラン様はそう言い、私を軽々しくお姫様抱っこした。




 「ローラン様!歩けますわ!降ろして下さい!」




 こんな大勢いる所で、お姫様抱っこなんて恥ずかしい!


 心臓が爆発しそうなくらいドキドキしてる!




 「ダメですよ。貴女は私の大事なパートナーなんですから。」




 ローラン様は、早歩きでベランダへ向かった。


 もちろん皆様にじろじろ見られてます。


 あっ、アンナ御姉様やリリアン御姉様はニヤニヤしてる!お母様までニコニコ!ノーレン御姉様は▪▪▪男性に囲まれおりますね▪▪▪。はあ…あとで冷やかせれる~!




 好奇心の目にさらされる中、ものすごい目で睨んでくる一人の女性がいました。




 ▪▪▪▪どなたでしょう?




 後ろ髪引かれてながらベランダへ連れて行かされた。








 「フレア、お水を貰ってくるよ。」




 「ローラン様、すみません。お願いします。」




 ローランが水を取りに中へ入っていった。






 ベランダから王城の庭を眺めていた。既に外は薄暗くなってきていた。遠くの門からは次々馬車が入門している。




 「恥ずかしいかったわ…。」




 でも、私を軽く抱き上げスタスタ歩くローラン様はカッコいいと感じてしまいました。


 今も心臓がドキドキしてます!顔もきっと赤くなってるわね。


 外の風で冷まさないと!






 「ちょっと、そこの貴女!」




 えらい剣幕で話しかけてきた人がいた。振り向いたら18歳くらいの女の子がいた。


 あっ!さっき凄く目で睨んでた人だ!




 「どなたですか?」




 「ローラン様とどういうお関係かしら!」 




 「▪▪▪▪」




 直球な人ですね。




 「なんとかおっしゃったらどう!」




 ▪▪▪▪名も名乗らず非常識な方ね。


 見た目もかなり性格がキツそうな顔をしている。




 スタイルは腰が締まってて、胸は程よい大きさ。今は怒ってるみたいなので、美少女とかは言いがたいけど。はっきり言ってノーレン御姉様の方が年下だと思うけど色気ある▪▪▪恐るべしノーレン御姉様!




 「名も名乗らない方に、何故お答しなくてはならないのですか?」




 「!!生意気な子ね!子供のくせに!」




 あっ!それは偏見だと想います!




 「その子供に何のご用でしょうか?」




 「本当にムカつく子ね!ローラン様とはどういうお関係なのって聞いてるの!」




 「その質問は先程お聞きしましたが、まずはお名前を名乗るべきではないでしょうか?」




 彼女は顔を真っ赤にして




 「私の名前はヘレン▪スンズ▪サンドレスよ!」




 サンドレス伯爵の娘さんでしたか。サンドレス伯爵は良い噂は聞いたことないわ。娘の教育ちゃんとしてよね!




 「サンドレス伯爵のご令嬢ですね。私はフレア▪フィン▪アンドリエと申します。」




 私はちゃんとドレスを詰まんでお辞儀をし挨拶しましたよ!




 「アンドリエ公爵の▪▪▪」




 家名を聞いたヘレンは青い顔する。


 伯爵より高位の公爵の令嬢に偉そうなことを言ったのだ、青くなるのも分かる。




 「ローラン様と私との関係はヘレン様に関係ないと思いますわ。」




 「関係あるわ!私はローラン様の恋人で婚約者ですもの!」




 えっ?えー!?


 でも私に婚約の打診がきたって聞いてるんですが!




 「本当ですか?ローラン様に婚約者、もしくはご恋人が居られるとお聞きしたことないですが。」




 ヘレンはふふふーんと鼻で笑って




 「私たちは三年前から結婚の約束をしてますのよ。すでに身体の関係もございますの。」




 ▪▪▪▪三年前からって▪▪▪▪。




 「前回、辺境から帰られた時にも一晩中愛し合ってましたわ。」




 勝ち誇ったように笑う。


 ムカつくけど、ショック。そんな人いたなんて▪▪▪。


 そりゃあモテるのも知ってるし、シャベールお兄様から結構遊んでたって聞いたけど、婚約の打診が合った時からは遊んでなさそうとシャベールお兄様はおっしゃってたのに▪▪▪▪




 「辺境から帰ってくるのはまだ先と聞いてたのに。いつ帰って来られたのかしら。分かってたら今日の夜会は私と来てたはずでしたわ。」




 私はショックで何も言えなくなった。




 「ですから、パートナーを譲ってくださる?」


 「▪▪▪▪」


 「もちろん譲ってくださいますよね?」


 「▪▪▪▪▪」


 「さっさと譲ると言いなさいよ!泥棒猫!」


 「!!!」




 泥棒猫▪▪▪▪。




 その時にローランがお水を持って帰ってきた。




 「フレア!お水を持ってきたよ。」




 ローランの姿を見たヘレンが




 「ローラン様ー!お会いしたかったわ!」




 ローランの元に駆け寄り抱きついた。




 私はその風景を呆然として見ていた。 




 もう何も考えられないよー!!








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