妹は死に戻る 設定&ざっくりストーリー[4,439文字]

【キャラクター設定】

・ブリジット(主人公)

本編開始時は10歳。

“死に戻り”の魔法が使える。

通常時の死に戻りは最大で24時間程度だが、姉の処刑時には生まれ落ちた時点までの死に戻りを果たす(理由は後述)。

姉の能力の影響で体が弱く、最近ようやく元気になってきたが、まだ通常の10歳ほどの体力はない。

物心ついた頃から優しく親身になってくれる姉が大好きで、姉を助けたいと願う。

母の命と引き換えに生まれ落ちたことで、無意識下で『自分が産まれなければ母は死ななかった』と思っている。

基本的に体が弱いため、無茶をするとすぐ死ぬが、何度も死に戻れると気付いてからは何も気にせず全力投球するようになる。

死に戻りに限界回数があるかもしれないとかは考えない。そこは10歳。

自分に都合のいいように受け止めていただこう。

10年分の記憶と魔力を持ったまま死に戻ったことにより、魔力の動きを感知できるようになっている。


・アデレイド(主人公の姉)

本編開始時は20歳。

行き遅れの年齢だが、第一王子の婚姻が成されてからでないと結婚式を挙げることができないという理由から、第二王子との婚約状態のまま数年が経過している。

いわゆるドアマットヒロイン。

王子からの熱烈なラブコールを受けて婚約したが、周囲の令嬢たちからのやっかみにやられ気味。

回復魔法の使い手で、1日に1度、骨折程度の怪我が治せるとされているが、実はもっと回復させることは可能。

回復には他者の生命力を必要とし、吸い取る生命力は血縁関係にある女性が優先される。

ただ、それは無意識下で行っている場合のみであり、アデレイドが『この相手から吸い取りたい』と思って行使すれば、その相手から吸い取ることができる。

母が生きていた頃は母から、今はブリジットから生命力をもらって回復魔法を使っており、無意識下でブリジットが死なない程度に抑えている。


・ヒルダ(主人公の義姉)

The・嫌なやつ。

高飛車で、自信家で、傲慢だが、アデレイドに勝てない。

元々は平民であり、貴族入りしてから家庭教師に教わった付け焼き刃の礼儀作法はそれなりだが、産まれた時から侯爵令嬢だったアデレイドの品の良さには敵わない。

母に言われ、第二王子の心を掴もうと画策するが、基本的にうまくいかない。

第二王子の近しい友人を籠絡することには成功し、第二王子の護りの装身具を奪うことに成功する。

最後は酷い目に遭う。間違いない。


・父

元々は優秀な侯爵だが、妻を亡くした心の弱みに付け込まれて魔道具(男性にしか効果を発揮しない)の影響下に置かれてしまう。

本来であれば、侯爵としての仕事はしっかりこなしつつ、第一王子に都合のいいように動かされるはずだったが、操る義母にそこまでの技量がなく、ほとんど役に立たない人間になってしまっている。

議会等の重要な場面では、義母ではなく宰相が自分に都合のいいように操っている。

侯爵の意識は寝惚けているような状態。


・義母

見た目はいい。

宰相の拾ってきた女で、金と権力にものを言わせて貴族籍に入り、侯爵に近付いて後妻の座に収まった。

ヒルダを第二王子の妻にしろと言われ、ノリノリで受けたものの、ヒルダの出来が良くなくてイライラしている。

捨て駒として扱われていることに気付いていない。

いざとなれば侯爵に全ての罪をなすりつけて、金を巻き上げればいいと思っている。


・宰相

第一王子派筆頭。

そこまで第一王子の出来が悪いわけでもなく、普通にしていれば第一王子がそのまま王になるだろうに、疑心暗鬼になりすぎてむしろ墓穴を掘っていくタイプ。

ただ、ブリジットが死に戻らなければ企みは成功していた。

もともとブリジットたちの母に惚れており、優秀な侯爵のことが嫌い。

侯爵をいいように扱いつつ、下賎なもの(義母)の血を混ぜてやり、最終的に罪をでっちあげて処刑してしまおうと考えていた。

ヒルダを第二王子の妻にしろという指令は、上手くいけばラッキーくらいの気持ちだったが、当然のように上手くはいかなかった。

ただ、巷で聖女と呼ばれるようになってしまったアデレイドが第二王子の妻になれば、第一王子の妻になる予定の女が相当に良くないとまずいと思い、色々するが、目ぼしい令嬢は皆無。

ならばと宰相サイドでも第二王子の装身具をなんとかしようとしていた。


・第一王子

空気。

可もなく不可もなく。

なんの問題もないけれど、目立ったカリスマ性も特にない。

うかうかしてるとアデレイドへの愛でテンション上がった第二王子に抜かれそうなレベル。


・第二王子

本編開始時は20歳。

アデレイドが大好き。

大好きすぎて、超奥手。

奥手だけどアデレイドに格好いいところを見せたい一心で、王子としての評価は高め。

おかげで想いの三分の一程度しかアデレイドには伝わっていない。

護りの装身具を外され、宰相の言いなりになってしまう。

生来の魔力抵抗値が高いため、支配されている状態でも意識がはっきりしている。

断罪してくれよ、わかったな。


・第三王子

本編開始時は15歳。

王位に全く興味のない庶民派王子。

宰相がなんだか色々やっているのに気付いていて、面白くないなと思いつつも、自分が何かすることでもないかと放置していた。

ブリジットが王城に入り込み、追い出されそうになっているのを見付け、気まぐれで助けてみたら面白い生き物だったため、せっかくだしと手伝ってやることに。

ブリジットは死に戻れるから危険を顧みず全力投球なのだが、そんなことは知らない第三王子からしてみれば、とんだ鉄砲弾である。

最終的に、ブリジットが自分以外に助けられるのが面白くないと思う自分を自覚して、ヒーローに変化してくれるといい。



【ざっくりストーリー】

宰相の言いなりになった第二王子、アデレイドに婚約破棄を言い渡す。

諸々の悪事は宰相の配下が捏造済み。

アデレイドの能力に関して庶民の間に悪い噂を流し、不安を煽る。

流した噂は他にもあって、塵が積もった感じではある。

止める者もおらず、処刑が決まるアデレイド。

処刑される瞬間、死にたくないと思ったアデレイドは自身の肉体を再構築しようと生命力を限界まで吸い取る→ブリジット死亡→周囲の無関係の人間からも吸い取ったが治すことはできずに死亡→使用されなかった生命力が、死に戻りを発動せんとするブリジットに吸収され、通常では起こらない長期間の死に戻りを果たした。

死に戻ったのはブリジットだけであるため、アデレイドに処刑されるルートの記憶はない。

自身の能力が他者の、母とブリジットの生命力を吸い取って行使されるものだとは、ストーリー後半まで知らない。

死に戻ったブリジット、義母が父に何かをしていると感じ取る。

邪魔しようとするが赤子の体では無理な上に、ベッドから転落して死亡。

すぐに死に戻り、自分の置かれている状況を理解する。

しかし、2度目の死に戻りは産まれた時ではなく、24時間前。

死に戻る時間が縮まる?何か条件がある?と思うも、試す勇気が出ずにしばらく死に戻らない。

ただじっとしていてもしょうがないともう一度無茶をしてみた結果、また死亡。再びの死に戻りも24時間前。

どうして姉の処刑の時だけ長期の死に戻りになったのかは分からないものの、何度でも死に戻れるかもと思うブリジット。

自分の体から流れ出た魔力が、アデレイドに吸い込まれていくのを感じる。

はいはいできるようになってからは、行動範囲を広げ、家中を探索するブリジット。

父の書斎から、母の日記を見つける。

母の日記にはアデレイドの能力についての母の考えが書かれていて、そこでブリジットは納得する。自分の体の弱さは、そのせいなのだと。

アデレイドが自身の能力を意識して使えるようになれば、自分の行動範囲がさらに広がると考えるブリジット。

しかし、能力について知らせるということは、アデレイドが母の、そして自分の生命力を奪っていたと知らせることでもある。

ブリジットは日記を自分の宝箱に封印しておくことにする。

第二王子とアデレイドたちが初めて会うデビュタントの日、(アデレイドたち16歳、ブリジット6歳、第三王子11歳)第二王子がアデレイドに一目惚れしたという情報が本当なのか確かめたいブリジットは王城に忍び込もうとするが、さすがに警備が厳重すぎて捕まりそうになるところを第三王子に助けられる。

ここでは第三王子は名乗らない。王城勤めなんだとか言って誤魔化したい。

その後もなんだかんだ第二王子とアデレイドは幸せそうなので、首を傾げつつ、義母やヒルダの動向を見守るブリジット。

そして婚約破棄の日が訪れ、第二王子が操られていることに気付くブリジット。

24時間の死に戻りを繰り返して第二王子を助けようとするが、うまくいかない。

ここで第三王子が名乗りつつ助けてくれるといいかな。もう少し後がいいかな。うーん。

その日を乗り越えても、ヒルダと義母と宰相のそれぞれの画策がどこかしら成功し、婚約破棄と言い渡される未来が変わらない。

婚約破棄と言い渡されることが確定しているなら、それを利用して犯人を追い詰めようという第三王子。

婚約破棄され、抜け殻のようになったアデレイドを必死に励ますブリジット。

なんとか元気になったかと思ったところに、励ましているブリジットを見て面白くないと思っていたヒルダが宝箱の中から日記を見つけ出し、嬉々として能力の真実をアデレイドに告げる。

ショックを受け、死んだ方がいいとまで言い出すアデレイドに、ブリジットの感情も爆発。

「お姉様のせいじゃありません! だってお母様を殺したのはわたくしじゃありませんか!」

思わず言ってしまって、何を言ったかあとから気付くブリジット。

“母の死”を二人で乗り越える。

ヒルダをどうやって追い払おうかな……。

アデレイドの能力制御訓練。そのおかげで、大気中に漂う草花や、大地の生命力を使うこともできるようになる。回復能力も、それに伴い上昇。回数も1度きりではなくなる。

本腰を入れて黒幕を探り出した第三王子により、宰相がやろうとしていたことがわかる。

民衆の不安を煽り暴動が起きるのを前もって鎮圧。

アデレイドの処刑を回避しつつ、ボロを出すのを待つ。

第二王子がアデレイドの前に姿を見せると魔力の動きが通常時と変わることから、王子が抵抗しているのではと言うブリジット。

計画をいくつも潰され苛立つ宰相は、第二王子に内密の話があると話しかける第三王子に気付く。

話の内容は、第一王子への不満と、第二王子を王位継承者として応援するというもの。

この機会に第二、第三王子をもろとも始末してしまおうと考えた宰相、第二王子に第三王子を殺させようとする。

飛び込むブリジット!魔道具をぶっ壊す!ヒールは凶器!

お前の企みなんて全てお見通しだー!

宰相、義母、ヒルダ、処刑?流刑?追放?修道院?悩ましいところ。

第一王子は普通に隣国の妻を迎えて王になり、第二王子はアデレイドと結婚。

結婚式でぽわぽわブリジットに、「次はぼくらなんて、どう?」みたいな第三王子、いい。

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