君が《最初で最後の恋》だなんてタイトルにするから [233文字]

 夢を追うと言った貴方の言葉が、私にはあまりにも現実味がなくて、だから笑って頑張れなんて言えなかったんだ。


 私の親はある種、潔癖とも言えるほど学歴を重視した。


 大学に行かずに夢を追うと言った貴方の言葉を信じるには、私たちはあまりにも幼かった。



 私は今日も、あの時言えなかった応援の言葉を口にする。

 うちわを、ペンライトを振りながら、貴方を見つめる。


 耳を、身体を震わせるメロディが、歌詞が、あの頃の私たちを歌っていて。

 だから私は、涙が止まらなくなるのだ。

 過去を、振り返りながら。





お題:言葉・夢を追う・潔癖

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る