リンゴの王国 [254文字]

 ある夜キラリと何かが光る。

 キラリと光るは歪んだ欠片。


 歪んだ欠片は二つに別れ、二つの国へと向かっていった。


 歪んだ欠片の行く先は、国を治める王の元。


 頭に刺さった歪んだ欠片、みるまに王の中へと消えた。


 翌朝からは大変だ。


 温厚だった王様消えた。

 叡智に溢れる王様消えた。


 民草集め、王様叫ぶ。


「赤いリンゴは許すまじ」

「青いリンゴは許すまじ」


 掲げた国旗にリンゴのマーク。

 自国のリンゴを崇めたて、隣国リンゴは焼き尽くす。


 戦争続いて早幾年。

 歪んだ欠片は飽きたのか、王の耳から飛んでった。


 二人の王様崩れ落ち、嘆き喚いて死んだとさ。




お題:リンゴ・戦争・ゆがんだかけら

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