クロードの恋。

ロザリーさんが暑くなって来たから

とショートパンツを縫って

くれたのはいいけどコレ?

ショートパンツ?


ドリフター〇のコントに出て来るような長さのズボンじゃん。


「仕方無いんだよ、

殿下が短すぎると仰って‼」


美桜は裁縫道具から

ハサミを抜き取り

チョキチョキチョキ、チョキチョキチョキ、チョキチョキチョキ

「これくらいが可愛い。」


ロザリーさんも


「だよね。」


とニコニコしながらミシンを

走らせた。

赤いショートパンツと黄色ショートパンツ‼ はき心地も最高。


「可愛ーよ美桜。

似合う“❤」


ロザリーさんも作りたい物が作れて

満足、


「ロザリーさん天才かもね。」


「フフフ裁縫と料理は、母親に厳しく

しこまれたからね。

任せて💪」



最近クロードは頻繁にやって来る。


ナタリーさんにクロードは国に、

帰って来てと言わなくなった。


それと同時にナタリーさんはクロード

に早く帰りなさいと言うようになった。



「クロード、貴方ソフィーを大事にしているの?」


そう言われクロードは黙り込んだ。


「許嫁に心配かけては

ダメですよ。身分をわきまえなさい。」


叱られているクロードを見て

美桜は、ザマーと思っていた。


《《まだ内定で決めたわけじゃ

ありません。》》


とクロードも負けじと

声をあらげた。


美桜は

「いいなぁ、許嫁がいらしたんだぁ

もしかして、

ロイヤルウエディング?

イギリス王室みたいなぁー


うわぁーステキィ」


キッチンで鳥を揚げながらロザリー

さんに聞いた。


「🤔うーん、殿下も中々

乗り気じゃなくてね、最近少し

前向きになられていたんだよ!


奥様とホッとしてたんだけどね。


しかしねー😩💦ハァ

困ったもんだよ。ヤレヤレ」


「ふうううん!好みがあるもんね。」


ロザリーさんは美桜をパッと見て


「美桜はどうなのかい。

好きな殿方はいるの?」




美桜は一瞬驚いて


「\\キャハハハハハハハハハ//ロザリーさんと

一緒‼キャハハキャハハ」


ナタリーとクロードが言い争いになりそうな時

ナタリーとクロードはその声に

キッチンへと目をやった。


美桜とロザリーがバシバシ背中を

叩き合いながらゲラゲラと楽しそうに笑いあっていた。


「母上、ここには癒しがある

私もここには住みたい。国も

跡継ぎも投げ出してガラシアンに

この地に住み着きたい。」


そう呟いた息子が可哀想に思えた。

そしてクロードは美桜が好きなのだとそう思った。


ナタリーでさえ美桜の記憶が戻らないなら養女にして婿を取り、後を継がせる事をのぞんでいる。

ナタリーにとって美桜は可愛い娘

となっていた。


出来るなら美桜をクロードと

添わせたい、しかしソフィーは

国が認めた許嫁


美桜が大臣や、政府を動かすには、

まだ幼過ぎる。


かといってミシェル家の跡取りに

するには、早くあの唐変木と

離婚しなければならない。

ちゃんとミシェルを名乗らせねば・・・


美桜の気持ちは分からない

しかし純粋なソフィーの気持ちも

踏みにじれない。


明るくケラケラと笑う美桜は

息子の事を好きなのだろうか?


好きじゃなくても好きになって

くれるのか?無邪気な笑顔に

やるせなさを感じたナタリーだった。




クロードは車の中で考えていた。

父王ルイーズも許嫁が居たと

聞いている。


そのくせ、母を見初め婚約を破棄し

無理やり結婚を押し切った!

武勇伝のように聞かされ、アホくさ‼

と思ってきた。


今となれば興味津々、どんな手を使ったのだろう、許嫁をどうやって諦めさせたのだろう。


母上は半ば強制的に、

父親がレイモンドの父王に縋り付き

王の権力を使ってモノにしょうと

画策したが、当時の公爵である

祖父が娘はその気が無いと

断りを入れたら直ぐ領地没収の言い渡しをくらい、それを知った母が仕方なく折れたと聞いた。



農民の為、ガラシアンに住む民の為

泣く泣く嫁に来たと聞くその時

母はまだ18歳になったばかりだった。



それを聞いた時は、何と酷い事かと

思ったが私自身も今、父王と同じ

境遇だ、どんな手を使っても美桜がほしい会う度に愛おしい。



一つずつ準備をして美桜に近ずいて

行く、自分の強かさに父王の息子だと自覚する。




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