第19話 勇者? 遭遇

 食事を済ませた俺達は再びダンジョンへと潜ることにした。今回合流したリノとミネは健太とファーナさんにくっついて11階層のマップを進めることにしたようだ。まあそっちのほうがいいだろうね。11階層厳しいらしいし、そのほうが2人も安全になる。


 俺達が向かう6階層はたしか室内みたいなところで鎧たちがいるところだったはずだ。結奈さんとホルンさんの火力なら普通に倒しながら進めそうである。その予想はやはり大当たりで、結奈さんが刀を振るうと鎧は真っ二つになって転がり、ホルンさんが手を動かすといつの間にかバラバラになった鎧が散乱していた。俺たちの苦労は一体何だったのかと本当に思い知らされるな…


「前方で交戦中の人がいます」


 ホルンさんが真っ先に気が付いたのだが今回俺たち以外のパーティに初めて遭遇した。そう以前と違い今はこのダンジョンで活動している人数が増えているのだ。中級ダンジョンともなれば訪れる人も増えるものなんだそうだ。


「4人パーティのようですね」


 通路はそれほど広くはないのでそのパーティの戦闘中に無理やり追い越すとどんなトラブルに巻き込まれるか分かったもんじゃない。


「迂回しますか?」

「うーん…戦闘が終わるの待って先通らせてもらうか、このパーティの後ろついていけばいいんじゃないか?」

「ならヨシオ様その間お茶でもしていましょうか」


 前方で戦闘中の4人から少し離れた場所にホルンさんがレジャーシートを敷いた。そこに俺達は座り込みホルンさんがお茶を結奈さんがお菓子を用意していく。まあお菓子と言ってもさっき昼食べたばかりだからクッキーくらいだ。持ち歩くことも考えると小さめなのが丁度よい。


「な、な、な…お前たちは一体そこで何をしているんだっ」


 ゆったりとお茶を飲んでいると4人パーティの唯一の男の子が話しかけてきた。どうやら戦闘が終わったみたいだ。


「何って…見たままだけど?」

「ありえないです…! もっと慎重にしないと命がいくつあっても足りなくなりますよっ なんならこの僧侶(見習い)がいくつか防御魔法をかけましょうか?」

「それなら(将来の)賢者であるわたくしが強化魔法もかけてあげましてよ?」

「じゃあ私も応援しちゃおうかなー 踊り子(未熟)のステップを見ればテンションアップ間違いなし!」

「どうだい? 彼女達の支援を受ければこの勇者(願望)の僕のように強くなれるよ」

「…いらない」


 なんか変なのに絡まれた…何こいつら自称勇者パーティってやつか? いや勇者ごっこかもしれんぞ。


「それより戦闘終わったんなら俺達先に行っていいか?」

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