妊婦だったころ
山葡萄
第1話 始まりはインフルエンザだった。
師走の始め、世間は忙しくしている最中私は1人内科の受付に来ていた。
「熱が38度5分もあるんですよ」
そう言って、しばらくすると処置室とやらに通され長い綿棒を鼻から入れられる。
そして5分後インフルエンザAと診断を受けることになる。
「インフルエンザですねぇ…どこか人の多いところ行きました?」
マスクをした医者が、慣れた口調で話しかける。感染者となった私は、色々と聞かれた。
思い返せば、数日前新幹線に乗った。確か帰りの新幹線の隣の列に咳こむ乗客が一人いた。
私は、感染源を特定して医者に話すとなるほどとうなずいてパソコンへタイピングする。
「妊娠しているかもしれないんですけど…」
「大丈夫です。妊娠していても飲める薬を出しますよ。」
出されたのは、口から粉を吸い込むタイプの薬で、後は解熱剤のカロナールだけだった。
この後妊娠しているとわかり仰天する。
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