28話 食べたりイチャイチャしたり

 ここ最近、食べる量が増えている気がする。

 先日の焼き菓子アソート然り、肉まん然り。

 いまもまた、スーパーで買った焼き芋を食後のデザートとして堪能しているところだ。


「真菜はあたしが太っても、好きでいてくれる?」


 焼き芋を二本平らげた萌恵ちゃんが、不安気に言う。

 私は汚れた指先をウエットティッシュで拭いつつ、「もちろん」と即答した。

 萌恵ちゃんが太ったところは想像できないけど、もし横方向に二回りほど大きくなったとしても、私が萌恵ちゃんに抱く愛情は揺るがない。

 二人でお風呂に入れないぐらい太ってしまったら、その時は一緒にダイエットを頑張ればいいだけだ。


「あ、そうだ。前と比べて変わってるかどうか、私が確かめてあげるね」


 私はスッと立ち上がり、萌恵ちゃんの背後に回り込んでから腰を下ろす。

 後ろからお腹の辺りに手を回して、そのまま服の内側へと滑り込ませる。


「い、いまは食べた直後だし、あんまり参考にならないと思うんだけど……」


「まぁまぁ、細かいことは気にしない」


 萌恵ちゃんの肩にあごを乗せ、お腹を優しく撫で回す。

 普段と比べてやや膨らんでいるように感じるのは、萌恵ちゃんの言う通り食後だからだろう。

 萌恵ちゃんはもともと代謝がよく、それに加えて運動量も多い。

 太った萌恵ちゃんもかわいくて素敵だと思うけど、いまのところ実際に目の当たりにすることはなさそうだ。

 さて、このまま手を離してしまうのは、少しもったいない。

 手の位置を上方へとスライドさせ、ブラの内側へと侵入。

 指を目一杯に広げても収まりきらない爆乳をむぎゅっと鷲掴みにして、指を不規則に動かす。


「まっ、真菜!?」


 胸を揉まれるとは思っていなかったらしく、萌恵ちゃんが驚きの声を上げた。


「イチャイチャの秋っていうのも、ありだと思わない?」


 耳元に顔を寄せ、吐息多めに囁いてみる。

 すると萌恵ちゃんの体がピクンッと震え、同時に「ひぁんっ」とかわいい声を漏らす。


「うんっ。でも、あたしたちは秋じゃなくてもイチャイチャしてるよね――」


 萌恵ちゃんはそう言いもって横を向き、私の頬にチュッとキスしてくれた。

 ところで、実は先ほどからさりげなく胸を背中に押し付けているんだけど、果たして気付いてくれているのだろうか。

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