僕と幼馴染とクラスメイトと
カベワン
第1話
「もう、女の子なんだから可愛くしなきゃダメじゃん」
そう言ってくるのは幼馴染の足利千歳だ。僕の隣の家に住んでいて小さな頃から一緒に遊んでいる。
「女の子って言わないでくれよ」
そう言ったのは僕。名前は藤原優希だ。昨日まで男子高校生だった。つまり、今日から女子高生である。なぜこのようなことになってしまったのか、原因に心当たりがない。今朝胸の苦しさで目が覚めた。金縛りかと思ったが違った。主に胸にのみ重みがあるのだ。見下ろすとそこには見慣れない膨らみが!右手を胸に、左手をズボンに突っ込む。
「ある!ない!」
そう、男のシンボルが失われていたのだ。ショックを受けた僕は千歳に相談の電話をかけ今に至る。解決策を模索するはずだったのにすっかり千歳に遊ばれてしまっている。
「ちゃんとブラ着けないと胸の形くずれちゃうよ」
「おま、男なのにブラなんて着けられるわけないじゃないか」
「私より胸大きいのによく言うよもう」
千歳の胸はCカップだ。そしてこの僕の胸はDカップらしい。おっぱいは好きだけど、自分に付いてると複雑な気持ちだ。
「ちゃんと髪も結わないとね」
千歳の髪はいわゆる黒髪ロングと言うやつだ。対して僕の髪は茶髪だ。茶髪にはツインテールが似合うという千歳の謎理論で僕はツインテールにされてしまった。しかし、さすが千歳のコーディネート力といおうか、鏡の前に立って自分の姿を見るなり自分で自分に見惚れてしまった。
「これが…僕?」
何かに目覚めてしそうだ。こんな状態で果たして僕は男としての尊厳を維持できるのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます