第14話 スキルについて 2
「三つのスキルにはランクがある」
「ランク?」
「そうだ、ランクが高ければ、そのスキルの能力を最大限に近い効果を発揮出来る」
おーー! なんか、異世界ぽいな!
「ランク帯は上からS、A、B、C、Dまである」
「シクのランクは?」
「……私はDだ」
その時のシクの顔はとても悲しそうで、何かを思い出している様子である。
「一般的なランク帯はどんなものなんだ?」
「一般的にはCランクの者がほとんどだな。それより上は珍しくSランクだとスキルの効果を100%使用出来る」
「シクは何%の能力が使用出来るんだ?」
「私の場合は……20%だ……」
また、シクが悲しい表情をした。これ以上はシクのスキルについて聞かない方がいいな。
「俺、Sランクのスキルが欲しいなーー!」
「Sランクはかなり稀だからな。ただ、Sランクの身体強化や武器強化を持っていた場合は小型であれば一人で討伐する事が可能と聞く」
「一人で?!」
小型とは言えあの大きさで、尚且つ昨日の冒険者は四人で倒したのに、それを一人で倒せるなんて……
「そうだ。なのでSランクや稀に得る事が出来るスキルの持ち主はどこでも重宝される」
「確かにそんなに凄い能力があれば重宝されるよな」
「場合によっては、その能力を利用しようとする者達がスキルランクの高い者達を監禁したりするとも、聞くな」
監禁なんてされたら人生終わりだな……
「スキルについてだが、もう一つ説明がある」
「お?! まだ隠された能力が?」
なんだよ! おい! スキルの説明を聞けば聞くほど異世界生活が楽しみになってくる!
「各スキルには能力アップする際に部位指定がある」
「部位指定?」
「そうだ。例えば私で言うと拳にしか炎を宿す事が出来ない」
なるほど……。って事はシクの場合は
武器強化
(属性:炎 部位:拳 Dランク)
ってなるのかな?
「拳以外に炎を付与する事は出来ないのか?」
「あぁ、他の武器。例えば剣などには付与出来ない。部位指定が剣だった場合のみだな」
「なら、身体強化の場合はどうなるんだ?」
「身体強化の場合は手足や目、耳、鼻の指定になるな」
そうなると身体強化の場合は
身体強化
(部位:足 Dランク)って感じになるのかかな?
「ちなみに、身体強化の部位に関してはダブル持ちなども居ると聞いた事がある」
なんだよ! ダブル持ちだと?! 聞いているだけでカッケェーな!
「最後に能力上昇についてだな」
能力上昇については、ぶっちゃけ興味が薄い。
この世界の戦闘は基本逃げるの当たり前になっている。
その為、他人の能力を上げているうちに自分自身が死んでは意味が無いと思うんだが……
「他人の能力上昇する種類は三つだ。一つ攻撃力、二つ防御力、三つスピードだ。能力上昇スキルを得た場合はこの三つから選ばれる。また身体強化と同じでダブル持ちなどもいるらしい」
能力上昇
(部位:攻撃力 Dランク)って感じか?
「稀に得る事が出来る特殊なスキルに関してはランクも部位なども無いと聞く」
やっぱり、俺的にはシクと同じ武器強化がいいな! 属性風とか得た日になんか主人公!! って感じするし!
「珍しい順に言うと、特殊スキル、能力上昇スキル、武器強化スキル、身体強化スキルの順だな」
「武器強化は二番目なんだな!」
「あぁ、そうだ。ほとんどが身体強化の場合が多いと聞くな」
「俺は断然武器強化が良い!」
「武器強化は最もモンスター討伐に役立つスキルでもあると言われているな」
俺も男! 異世界で俺つえーしたい! この世界では諦めていたが武器強化のSランクを引き当てれば、敵をバッタバッタ倒せる!
……小型のみだけどな。
「武器強化は結構珍しいから難しいかもな。だが、私としてはアトスが身体強化の足を手に入れれば嬉しい」
「俺は逃げない!」
シクに軽く頭を殴られる。
「イテッ!」
「馬鹿、モンスターを見たら逃げるんだよ」
やれやれと言う様な口調でこちらを見ている。
「身体強化や武器強化は使いやすいと聞くが、能力上昇は使い辛いし強くないと良く耳にする。まぁ能力上昇も珍しくて滅多に得る事は無いらしいし心配は要らないと思うがな」
スキルを得る為あと五年。それまでに強くなってシクに迷惑かけないようにしないとな。
あぁーー、十歳になるまでが待ち遠しいぜ!
「スキルについての説明は以上だ午後からは、いつも通り外で訓練だ」
シクからの言葉を聞いて、少し憂鬱になった。
……また走るのか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます