第9話幼き頃

小さい時に健と緑だけで家の留守番をしていた事があった。


二人でテレビを観ながらアイスを食べていた。


「健、クラスで好きな子いる?」


「いないけど。何で?」


「あんたは、わたしの事を好きでいれば良いのよ。分かった?」


「分かんない。だって姉ちゃん怖いもん。」


緑は泣いてしまった。


仕方ないなと思って食べかけのアイスを緑にあげた。


緑は、泣くのをやめてアイスを食べた。


ウソ泣きだとすぐに分かった。


健が、今度は泣いた。


健は、あの時のアイスの味を忘れられなかった。


緑の、笑顔は小悪魔天使だった。

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