第389話 用語解説68
品質管理部なら知っていて当然な単語を解説
・ポリカーボネート
象が踏んでも壊れない筆箱で有名になったあれ。
若い子は知らないでしょうけど。
自動車でもよく使われております。
透明な部品は成形時の品質管理が大変。
出来る事なら一生関わり合いになりたくない。
外観部品って本当に大変なんですよ。
ウィキペディアによれば、耐衝撃性は一般的なガラスの250倍以上となっております。
なお、それだけ丈夫といいながらも表面の硬度は高くなく、簡単に擦れ傷は発生します。
透明な部品では白くなった傷跡が目立ちますので、当然外観不良となっております。
そういえばヘッドライトって防曇加工をするのですが、
ずっとボードンっていう外国語だと思っていました。
自動車のヘッドライトを見たときは、製造現場の大変さを少しだけ思い出してください。
話が逸れましたが、盾の素材としてポリカーボネートを使う利点は、耐衝撃性の高さと透明性があるので構えながら飛来する物体を捉える事が出来ることです。
剣と魔法の世界であっても、ライオットシールドには需要はあると思います。
ポリカーボネートみたいな材質を研究開発してもいいんじゃないですかね。
・工程能力調査用試料
工程能力の調査をする際にやりがちなのが、同一段取りでの連続生産によって作った試料での調査。
それでわかるのは機械によるばらつきでしかない。
専用機でもなければ段取りが発生するが、その段取りでのばらつきも加味して工程能力を調査する必要がある。
だけど、製造への設備引き渡し前に、生産技術が作った製品は殆ど一発段取りであり、製品のバラツキは機械によるものしかなく、非常に高いCP値となることが多いです。
その結果を信じて製造に引き渡して生産を開始すると、不良率が高くてFTAが甘かったなんてのが後に判明します。
というか、いつもです。
ただ、この辺は客先から渡される品質マニュアルにも具体的な指示が無かったりします。
何回が妥当なのかよくわかりません。
本来はそれぞれの条件を上下限両方に傾けて、一番ばらつく状態で工程能力の調査をするのがよいのでしょうけどね。
尚、IATFの基準で工程能力の要求が年々増えておりますが、ダイカストの切削部品だとほぼ要求されるCPKは未達になります。
原因はダイカストの公差幅よりも、切削加工の公差幅が狭いからですね。
母材が大きくばらついた時に、切削加工でそれを吸収しきれないのですね。
じゃあCPKが未達だから全数検査なのかというと…………
よくIATF認証取得出来たよね。
・プルタブ
作者が子供の頃は缶ジュースといえばプルタブでした。
リングの部分に指をかけて引っ張ると、タブが缶から切り離される。
ずっとプルタブって呼んでいたので、現在のステイオンタブもプルタブって呼んでます。
しかし、JIS規格では全くの別物。
例えるならヒラタケをシメジって言っちゃってるレベル。
もしくは、カタクリじゃないデンプンを使った粉を片栗粉って言ってるレベル。
でも赤貝が赤貝じゃなかったからって、俳句の会の指導を辞めるとか言い出すのは大人としてどうなのか。
詳しくは美味しんぼの83巻に収録された『俳句会存亡の危機』を読んで下さい。
小泉局長もいつの間にか富井副部長のポジションになってますね。
プルタブ、ステイオンタブ、プルトップと正しく使い分けていきましょう。
・瓶詰め
食品を加熱して殺菌し、瓶に入れてコルクと蝋で密封する。
これなら中世風ナーロッパに転生しても簡単に作ることが出来そうですね。
でも、腐敗の仕組みが地球と同じなのかってのはありますね。
自分は腐敗と発酵は精霊の力によるものってしてみました。
その設定を忘れそうですが。
さて、話を戻すと日本酒の火入れも理屈は同じで、加熱によって発酵と腐敗の原因菌を殺菌します。
それを瓶詰めが発明されるよりも前、16世紀にはやっていたそうなので、どうやってそこに辿り着いたのか気になりますね。
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