第385話 用語解説67

ワクチン接種会場でのミスが報道され、どこも弊社みたいなミスをしていて安心できますね。

うちだけじゃなかった。

まあ、安心しちゃいけない所なんでしょうけど。

トヨタがノウハウ提供しているそうなので、どんな事をしているのか見てみたい。

それでは解説いってみましょう。

品質管理部なら知っていて当然な単語を解説



・ボルトの緩み


 不良の原因としては結構多い。

 工作機械なんかは、稼働するとかなりの振動があります。

 なので、ボルトも次第に緩んでしまうので、始業点検で締まり具合を確認するのですが、いい加減なチェックだったり、そもそもチェックをしていなかったりすると加工中に緩んでしまいますね。

 作者の独り言で始業時にチェックしようねと書いていますが、実際には適切なタイミングで行う必要があります。

 連続稼働していて、途中で緩んでしまうなんて事もない訳じゃない。

 不良が出るのならまだしも、工作機械の部品が飛んできて作業者直撃とかは洒落にならない。

 いや、不良が出るのも洒落にならないのですが。

 寧ろ、作業者が怪我しても不良が出ないほうがいいのか?

 嘘です、安全第一!

 ただ、全てのラインにトルクレンチが有るわけでもないので、手感による締め付け確認の確からしさは無いです。

 確認せずにチェックシートに○だけ付けていて、気がついたらロットアウト作ったり、逆に締めすぎてねじの頭を壊したり、ねじ山が嘗めちゃったりするのはよくある話。

 素人の作業者使うんだから、浮いたコストでトルクレンチ買ってください。

 ああ、元から利益の出ない仕事なので無理ですか、そうですか。

 誰が責任取るのか明確にしてください。

 まあ、緩んじゃ駄目だからって溶接しちゃうのも考えものですけどね。



・数値化できない


 出来ないものは出来ない。

 摩耗は管理出来ても、刃物が折れるのは管理のしようがない。

 以前も書きましたが、ダイカスト製品の中に異物が入っており、アルミ合金の条件で加工していると刃物が折れます。

 が、どこにどれだけ異物が入っているかなど管理しようがなく、折れたら刃具の交換をするのですが、それも数値化しろとか現場を知らない上司や客が言うので、どうやったらいいのか見本を見せて欲しいですね。

 壊れる前にと言われても、管理方法を数値化できない物なんて沢山あるんですよ。

 それが出来るなら、人のストレスも数値化して、うつ病になる前に仕事休ませてくれ。

 僕は生憎と悩まないから平気なんですが。



・偉い人の愛人


 品管とか関係なく、社会人が何度か遭遇するモンスター。

 何故か討伐依頼はパートのおばちゃんから出てくる。

 報酬は無い。

 誰が誰と不倫しようが知った事ではないのですが、それを会社に持ち込むのは止めて欲しい。

 そういう人に限って、仕事は家庭に持ち込まないんですよね。

 不良の真因だったりしても、決して対策書には書くことが出来ないので勘弁してください。

 僕も相手の配偶者が会社に乗り込んで来たりするとワクワクします。



・ワクチン接種でのミス


 この小説で初期から書いている事がそのまんまで、医師や看護師のような教育を受けていても、弊社のポンコツどもと変わらないのだなとほっこり。

 どちらも命に係わることですので、ほっこりしている場合ではないのですが。

 結局のところ、人間がミスをする仕組みなんて似たようなものであり、製造業の品質管理はどこでも応用が出来るっていう事ですね。

 拙著の読者の皆様のミス防止に少しでも役立っていればいいなと思う次第。




余談ではありますが、シルビアとアルトのおねしょたっぽい奴でリメイクを書いている最中ですが、規約違反でアカウントがBANされたらごめんなさい。

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