第374話 用語解説65

品質管理部なら知っていて当然な単語を解説




・工程パトロール


 工程がルールを遵守しているかを確認する巡回行為。

 異常が無いかを見て回る。

 多くの場合は作業者から敵視される。

 ルール違反を指摘すると、更に雰囲気が悪くなる。

 だったらルールを守れ。

 でも、品質管理部員が製造ラインに入って、ルールを遵守しながらサイクルタイムを守れるのかというと、それもまた出来ていない。

 正論は言ってみるものの、お前自分で出来るのかよって言われると辛い。

 ルールが悪いんです!

 真面目な話をすると、作業者だけだと一度破ったルールを遵守するように直る事は無く、どんどん悪化していくので外部の目で見る事も必要。

 仕事中に女性社員を口説いていたりするのは稀ですが、ライン内にジュースの空き缶があることはしばしば。

 作業標準書も遵守していないなんてざらにあるので、定期的に工程パトロールをしましょう。

 なお、工程パトロール中に私服警官がやってきて、目の前の作業者が持っていかれたりする経験とかレアなので、誰かに自慢したい。

 なんの罪かは教えて貰えませんでした。



・コールドチェーン


 元々物流では使われていた言葉で、冷凍冷蔵された状態を保って輸送する輸送網。

 ワクチンが低温保管する必要があるとわかり、ワクチンコールドチェーンの構築が急がれています。

 供給が需要に追いついておらず、かなり忙しいですね。

 急ぐと不良に繋がるので、ちょっと心配。

 それに、大手宅配業者の冷凍宅配便の不祥事もありましたが、結局最後は人次第なんですよね。

 いつまでこの忙しさが続くんだか。



・故障モード


 工程FMEAにおいて起こりえる工程上のミスをピックアップする。

 ミスの原因や、影響は別の項目に書くのだが、時々故障モードにそれらが記載してあるものを見かける。

 例えばですが相手の攻撃が当たるが故障モード、影響が怪我や死亡、原因が防具がない、防ぐだけの力量がないといった感じです。

 工程FMEAのRPNでは怪我や死亡のリスクを点数評価して、大怪我や死亡しそうなら、対策をして再評価となります。

 一度敗北した主人公が特訓すると思ってください。

 これはある程度類似工程のものを参考にするのですが、新設のラインだったり、自社で初めて行う工法だったりすると、結構ぬけが出てくるものです。

 見たこと無い技を使われると、対処できない主人公たちみたいな?

 抜けが無くても対策出来るかどうかは別問題なのですが。

 工程FMEA作成時に、製造と品管からの切なるお願いは、大体生産技術で止められてしまいます。

 生産技術が悪いわけではなくて、どうせ予算が降りないから。

 工程FMEAの作成は客先と経営者の両方を納得させる、微妙な匙加減が必要能力ってなるのは、品質管理のスキルというよりも、サラリーマンとしてのスキルですね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る