第126話 用語解説20

品質管理部なら知っていて当然な単語を解説



・SPCC



 冷間圧延材。

 Steel Plate Cold Commercialの略。

 「ミガキ」ともいわれる。

 精密板金に使われる比較的メジャーな材料。

 メジャーすぎて市中から引っ張るといろんなメーカーの物が入ってくる。

 ちなみに、小さな商社はミルシートがいい加減なところが多くて、入ってきたメーカーのミルシートが出てこないこともある。

 困ったもんですね。

 割と鉄関連はいい加減な印象。



・A5052


 アルミ合金。

 切削加工するのによく用いられる。

 神戸製鋼が販売しているアルハイスの切削性が良かった思い出が。

 ちなみに、神戸製鋼のA5052は他社の製品に比べて黒っぽかったですね。

 北京オリンピック前は不足していて大変でした。

 神戸製鋼とスカイアルミのA5052をLRで加工してしまい、色見が違うってクレームが来ました。

 色見なんて図面上は指示がないので、客先とおお揉めになりました。

 色見が違うのがいやなら塗装にしてほしいですね。

 設計者はメーカーによって素地の色が違うのを知らないので困ったものです。

 呼び方は「ごーまるごにー」です。

 ロウ付けは出来ないので、後工程でロウ付けをする製品に使用しないように注意しましょう。

 切削してしまうと、A6063と違いがよくわからないので、混入したらどうにもなりません。



・川崎製鉄


 かつて日本に存在した製鉄企業。

 今のJFE。

 JFEになるときにステンレス事業をやめてしまったのでとても困りました。

 つなぎで〇国から輸入したSUS304を使っていましたが、ばらつきが酷くて現場の職人から大不評。



・比重


 物質の重量を計算するときに使う。

 水が1.0

 1000番台のアルミが2.2、5000番台になると2.7程度。

 鉄だと7.9、銅で9.0くらい。

 金なら19.3となるので、混ぜ物をするとこれより軽くなる。

 銀なら10.5の比重なので金の約半分であり、混ぜれば確実にばれてしまう。

 その性質から、同一の重量であれば比重の大きいほうが体積は小さくなる。

 アルキメデスはこれを発見し、アルキメデスの原理となった。

 材料を発注するときにも比重を計算するのだが、仕入れ担当は比重が計算できないので、適当に発注している会社もあるんだとか。

 半年分の材料をいっぺんに仕入れて、支払い事故起こしそうになってましたね。



・キュベレー


 プリュギアの神話に出てくる女神。

 モビルスーツはキュベレイ。



・100分割バブル


 今は電子化された株券も昔は紙でできていた。

 そのため、単元変更や株式の分割を行う際は実際に株主から株券を回収する必要があった。

 株券を市場から回収すると何が起こるかというと、需要と供給のバランスが崩れて、需要に対して供給が極端に小さくなって株価が暴騰する現象が発生する。

 その時高値で株券を売り抜けるというのが新興市場で流行った。

 勿論悪い人たちが沢山絡んでおり、企業側もずぶずぶだったり、そもそもフロント企業だったりと色々。



・ゲーム理論


 金融業でゲーム理論がもてはやされたのがリーマンショック前。

 個人でもフェラーリ買うくらいの額を払えば、ゲーム理論に基づいたトレードシステムを購入できた。

 当時大証が導入した高速トレードシステムがあり、日経平均先物取引にシステムトレードがどんどん参入したのである。

 なお、東証が高速トレードシステム、アローヘッドを導入することになったのは、ライブドアショックの時の大量の注文を処理できなかったことによるとかなんとか。

 当時は取引時間を制限されたりして大変でしたね。

 名証とか福証に重複上場している企業はそちらの出来高が膨らみましたね。



 最後の方はもはや品質管理でもなんでもない。

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