第28話 用語解説4
品質管理部なら知っていて当然な単語を解説
・赤箱
不良品を隔離する為の箱。
不良を示す赤で外側に色を付けていることからそう呼ばれる。
不良を隔離するのが本来の目的なのに、箱の中に不良品が入っていると怒られる不思議な箱。
そのため、作業者は赤箱に不良品を入れずに、別の場所に一時置きして、後でこっそりスクラップに混ぜることになるという社会の理不尽が凝縮されている。
赤箱なんて飾りです、偉い人にはそれがわからんのですよ。
・1サイクル
作業のはじめから終わりまでの動作。
この1サイクルに掛かる時間をサイクルタイム、CTと呼ぶ。
作業途中に離席すると、仕掛品が完成品に混入する可能性が高いので、必ず1サイクル終わらせてから離席することが求められる。
また、作業途中の話しかけも禁止されており、意地悪テストで作業者にわざと話しかけをして、その受け答えを見ることも在る。
事務作業でも、1サイクル終わらせてから離席しないと、どこまで処理をしたか忘れることがあり、水平展開されるといいと思います。
・SNP
S=Standard
N=Number
P=Package
出荷梱包単位の事。
一つの箱に何個の製品を入れるかを表す。
人の手で持つことを考えると、箱を入れた重量が5キロを越えると重いので、それ以下にすることが望ましいが、箱の充填率を考えて15キロとなっているものもある。
重くて持ち上げる時に腰を痛めるのでやめて欲しい。
・マクロ試験
溶接の溶け込みを確認する試験で、薬品で金属を腐食させて、溶け込み具合を確認する。
薬品の管理が大変なため、作業現場での品質チェックは破壊試験で代用している。
1番切れか2番切れかを見れば、強度はわかるので、危険な薬品を使いたくないのが本音。
特にフッ化水素やべー。
あと、ピクリン酸を高濃度で廃棄する奴なんなん。
ピクリン酸はニトロなので爆発します。
廃棄する時は希釈しましょう。
あと、手が真っ黄色になります。
・シックネスゲージ
隙間を測るゲージ。
厚みが刻印してある金属の板を隙間に入れて、入らなくなるところを探す。
素手で触るのでよく錆びる。
・ブロックゲージ
ノギスやハイトゲージの日常点検に使ったりする、高精度で作成された金属の塊。
シックネスゲージが厚くなったやつ。
・ピンゲージ
円筒の棒状のゲージ。
三次元的な隙間を確認したり、穴の精度を確認するのに使う。
・品質偽装
やってはいけないことなのに、何故か経営者から求められる事。
経営者は責任を取らずに逃げるので、逃げ道を奪っておいたほうがいい。
品質に関係ない部署も平気で偽装を要求してくる。
仕方がないので、他人のパソコンで偽名で書類を作成する。
品質管理の仕事に関わってはいけない理由のトップ。
近年転職が一般的になり、内部告発が珍しくなくなったので、大企業でも露見することが多くなった。
バラすなら今がチャンスだ。
公差や規格なんて賞味期限のようなもので、ちょっとオーバーしても使えないわけじゃない。
その気持が品質偽装が無くならない理由だと思います。
品質管理部員は、会社からのリストラや理不尽な要求に対して対抗するために、会社の品質偽装の証拠を隠し持っていると思ったほうがいいです。
内部告発先は納入先よりも、役所の方がいいですね。
納入先ももみ消す可能性があるので。
幸いなことに、私は品質偽装に関わったことがありません。
当然我社もです。
当然です。(大切なことなので2回言いました)
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