冒険者ゴートの旅立ち
ケバブ
序章1
「最後に志願兵の中で顕著な活躍を見せた者への恩賞である」
厳かな雰囲気の中会議の進行を勤めている役人が言う。
「デミ村のゴート前へ」
ゴートが前へ進み跪くと領主が威厳を感じさせる声色で話し始めた。
「そなたのおかげで息子トールが奇襲から生き延びる事が出来た。大義である」
「身に余る光栄です」
「何か望みはあるか?」
ゴートは意を決した顔つきで口を開く。幼い頃からの夢を、希望を。
「私に領民になる権利を頂けないでしょうか?」
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